■マーケティングとは
マーケティングとは「モノやサービスを買っていただくためにはどうすればいいか?」という発想で行う、すべての企業活動を指す言葉です。
具体的には、何を(=開発・製造)、誰に(=営業・流通)、どのようにして(=価格・販促)売るかという、あらゆる企業活動に関わるものであり、それらをバラバラにではなく一体として運用していく「仕組みづくり」であると言えます。
■「プロダクトアウト」と「マーケットイン」
マーケティングを企業活動の中で捉えるにあたっては、その企業が市場をどのように捉え、どのような姿勢で攻略しようとするのかによって、次の2つのパターンに分けることができます。
それが「プロダクトアウト」と「マーケットイン」です。
(1)プロダクトアウト
自社が良いと考える「モノ・サービス」を開発し、生産効率の最大化を狙った生産計画を立て、それを市場に展開し販売するという考え方。
(2)マーケットイン
市場が何を求めているのかを調査した上で「モノ・サービス」を企画・開発し、売れる数だけ生産して市場に展開し販売するという考え方。
かつての日本の高度成長期のように、大量生産・大量消費が主流の消費環境においては、「プロダクトアウト型」の発想で企業運営を行うことが合理的と考えられていました。
しかし、その後、消費市場の成熟期を迎え、今までのように「作れば売れる」時代は終わり、顧客が本当に求めているものは何か、という顧客ニーズを起点にモノづくりをすること(=マーケットイン型)が必要となってきました。
■「マーケットインの方が優れている」は本当か?
顧客志向のモノづくりの考え方として、「マーケットイン志向」の重要性がより増してきたことは確かですが、だからといって「プロダクトアウト型」の発想がダメだというわけではありません。
マーケットインの発想でモノやサービスを作っていこうとすると、どうしても市場にニーズが顕在化してからの動きとなってしまうため、「後追い」の商品展開になりがちです。
一方、他社の追従を許さない高度な技術で作られた商品や、高い感性を持つ開発者によって作られたモノ・サービスは、それ自体が新たな市場を作り出す可能性を持っています。
このような市場創造型のプロダクトアウトビジネスは、リスクも高いがリターンも大きいという特徴があります。
(例)
「プロダクトアウト型」の代表企業・・・米アップル
「マーケットイン型」の代表企業・・・韓サムスン