【「売る」仕組みを作るマーケティング】
「売る」仕組みを作るマーケティング 【6】
先週は、マーケティングにおける4つの視点
Product(商品)
Price(価格)
Place(流通)
Promotion(販売)
これらの4Pから、「Product(商品)」の考え方についてお話しました。自社商品・サービスはどこに該当するかイメージはできましたか? さて今回は、「Price(価格)」についてのお話です。
■価格戦略の考え方
価格(Price)に重点を置いている代表的な例が、近年流行りのファストファッションブランドです。一定レベルの品質を確保した商品を、他社の同種の商品よりも圧倒的に安い価格で販売することにより、大量生産・大量販売を実現しています。
価格戦略は、企業の市場における地位(シェア)によって変わります。
・リーダー(1番手)~業界トップ企業ですから、市場での価格形成に大きな力を持ちます。競合他社の安売り攻勢があった場合は、すぐには値下げに追随せず、値下げに見合った分を、むしろ商品改良や広告プロモーションに投下することの方が得策と言われています。
・チャレンジャー(2番手)
リーダーと同じことをしていては、最大経営資源を持つリーダーには勝てません。従って、リーダーよりも低価格にしたり、高価格の「高級品」路線にすることが多くなります。
・ニッチャー
競争から独立した特定セグメントを狙うので、傾向としてはやや高い価格設定を行います。一般に価値を売るマーケティング戦略ではただ安いことは競争要因にならないと言われますが、ニッチャー戦略は、特に価格上の競合を無視するといえます。
■価格の決め方~値段には理由がある
価格は、マーケティング戦略全体の中の1つとして決定されるため、市場環境との関連や、チャネル等と常に連動しています。まずは、価格の上限と下限を確認し、価格政策(基本路線)を決めます。
・高価格参入
上位顧客層を狙う方式です。この層には、高価格でも高品質であれば買ってもらえる可能性は高いといえます。しかもその後安価な競争が参入した場合でも、値下げで価格を合わせていくことができます。
・低価格参入
安い価格で入ることによって、その後に続く競合相手をあきらめさせる効果があります。また、先行して安価で数量を伸ばせば、規模と経験の効果によってさらに費用は低減し、市場シェアの拡大と、大きな利潤になる可能性があります。
・中価格参入
一般的な消費者が「だいたいこれが相場だろうな」と納得する程度の値段に設定します。
「価格」は極めて重要な要素です。ただし、全ての商品が低価格である必要はありません。価格戦略は「廉売」を中心に考えず、利益確保を重視した価格戦略をすることが大切です。
☆次回につづく。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方