【「売る」仕組みを作るマーケティング】
「売る」仕組みを作るマーケティング 【8】
先週は、Promotion(販売)の仕組みや手法についてお伝えいたしました。今回は「誰から攻めるか」ということについて考えてみます。
■商品ライフサイクルと消費者
商品が市場に導入され、時間が経過するとともに消費者も変わります。その変化を、製品ライフサイクルの段階と照らし合わせてマーケティング戦略を少しずつ修正していくことが重要です。
商品が新しく市場に導入されたばかりのころは、ほとんどの消費者が商品に関する十分な情報を持っていないので、その商品の価値も十分には判断できません。その中で、消費者は商品の存在に気づき、情報を集め、評価し、試用し、採用するのです。このいくつかのステップを登り、採用への時間を短縮できればマーケティング効率は極めて高いものとなります。
■イノベーター理論
商品を買っていただくにあたっては、お客さまが商品を受け入れる際の姿勢を考慮する必要があります。
イノベーター理論とはイノベーション普及に関する理論で、商品購入の態度を新商品購入の早い順に5つに分類することができます。そしてその分類比率はモデル化されています。
◇イノベーター(革新者)2.5%
新しい物を真っ先に取り入れる姿勢を持つ消費者のグループ。自分の価値観に絶対の自信を持ち、世間一般の価値観には興味を示さない。
◇アーリーアダプター(初期採用者)13.5%
流行に敏感で、新しいものを早い段階で採用する消費者のグループ。世間一般の価値観は共有しており、そのうえでオピニオンリーダーになることを好む。
◇アーリーマジョリティ(前期追従者)34.0%
まわりに新しいものを採用する人が増えてきた段階で、自分もそれを採用しようと考える多数派の消費者のグループ。
◇レイトマジョリティ(後期追従者)34.0%
まわりに新しいものを採用する人が増えてきてもしばらくは懐疑的で、大半の人が採用した段階でようやく自分も採用を決める多数派の消費者のグループ。
◇ラガード(遅延者)16.0%
最も保守的な姿勢を持つ消費者のグループ。流行に関心が薄く、最後まで新しいものの採用を拒み続ける。
■イノベーターとアーリーアダプターの壁
企業が新しい製品やサービスを市場に投入するにあたり、まず越えなくてはならないのがイノベーターとアーリーアダプターの壁です。
この2つは合わせて普及率16%にしかなりませんが、ここのラインを超えたあたりから、普及が急激に加速し、アーリーマジョリティへの普及につながります。
イノベーターとアーリーアダプターの特性を調査し、ここに絞ったマーケティングを展開してゆくことが重要な課題といえます。
☆次週につづく
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方