【企画をつくるとは?】
企画をつくるとは? 【2】
■発想力はトレーニングで鍛えられる
※さまざまなものを見てアイデアを出す
研修の具体的な内容としては、まずどうやって発想を出していくかということについて説明をしています。まずはさまざまなものを見て考えること。
たとえば道を歩いていて、はやっていない店がありますね。それをどうやってはやらせるか、その場で考えてみることです。普通はそんなことは考えないと思いますが、企画を立てる練習においては、そういうつまらないことを一生懸命やってみることが重要なのです。
「玄関にメニューを出す」「今日のランチを書いてみる」 「おすすめを外に出す」「玄関を掃除してみる」など、どうしたらいいかを考える。それが発想の出し方です。
発想を出すのは訓練ですから、たとえば1日に何個ということを決めて考えることが大事です。
※アイデアが出たらそれを集中的に考える
そして、それについて集中的に、5分くらい考えるのです。どうやったら売り上げが改善するかなと考えると、頭の隅に「売り上げを改善しなければ」ということが残るのです。また、トイレのときや、手を洗うときなど、それを時々取り出しては考える。
そうすると2、3日経つと、頭の中にイメージがポコンと返ってくるのです。どうしてそうなるかというと、「考え続ける」からです。急に解答が思い当たることってありますね。それを意図的にやるのです。
■コスト0円の調査方法
※「いま」からはじめる
次に「調査の方法」について説明します。企画の王道として、突飛なものを一気に考えることはなかなか難しいのですが、「いま」を改善する方法は、誰でもいつでもできることです。
※むやみにアンケート・調査をしない
そのときに現状調査や、ものをどう考えていくかという方法があります。 普通、本などでは、単なる「調査」からスタートすると説明するものが圧倒的に多いです。
たくさんのアンケート調査やヒアリングをして、その中からアイデアを拾い出していくという手法を本などでは進めていますが、それは現場ではほとんど役に立たないのです。
というのも、調査は実際にものすごいコストがかかるので、やたらに漠然とした調査をしても、コストだけかかってしまう。公聴会、ヒアリングやアンケート調査をむやみにやってしまうと、コストが先にたって成果が見えないものです。
※まず、周りの人に話を聞いてみる~コスト"ゼロ"の調査法
ですから企画を確実にコンスタントに立てていくときには、 「こういうのがあったらいいな」とアイデアをまず最初に出して、それを周りの10人に聞いてみます。
たとえば自分の周りの10人に聞いて、7人が「いいね」と言ったら、次のステップに進みます。これはコストが0円ですね。
調査屋さんが企画力研修をすると、まず調査やデータ分析の方法からやりますが、それではなかなかいい結果が出ません。世の中の人は 「こういうアイデアがあるけど、どう?」と言われたら答えられますが、「なんでもいいからアイデアを出して」と言われると、誰も言えないのです。
それはなぜかというと、考えていないからです。ですからそういう方法には私はあまり興味がありません。
身の周りの10人に聞いた後は、100人に聞きます。やはり身の周りで、知り合いや会社の人100人くらいに、やや詳細なアンケートをしてみる。これも1日くらいで回収できますから、コストはほぼ0です。
そこでだんだん具体的にものが決まっていくので、それを踏まえてアンケート調査なり公聴会やヒアリングをすると、非常に的確な反応が返ってきます。
たとえば「夜12時までやっている託児所はいりますか」と聞かれて「ノー」という住民は誰もいないと思います。それから「空を飛ぶ自動車が必要ですか」と聞くと、ほとんどの人が 「ほしい」と答えるでしょう。
ただそれが100億円するというと、誰もいらないということになる。アンケートや調査は、かなり細部まで決まった段階でしかできません。雑駁な意見を集めても、ものを売ったり、実現するときにはあまり意味がないのです。
夢を実現するのは科学者の仕事です。
企画者はそれが売れるか、あるいはみんなに喜ばれるかというところへ持っていく。そういう違いがあります。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方