前回までに、「視点や目のつけどころを養うための10のコツ」の1~9をご紹介いたしました。
1.共通項を考える
2.反対の立場で考える
3.様々な立場で考える
4.ポイントを列挙する
5.ひと言で表現する
6.定義づけを行う
7.なぜグセをつける
8.「5W1H」・「6W3H」で考える
9.事象を流れ図、時系列で表現する
10.事象を2軸・マトリックスで表現する
今週は、10のコツの最後、「10.事象を2軸・マトリックスで表現する」
について説明していきます。
■10.事象を2軸・マトリックスで考える
(
図1~4はこちらを参照ください)
事象・現象のポイントを2軸・マトリックスで考え、図表に落とし込むことで、視点が養われていきます。
ここで難しいのが、この視点については、いくつかの典型的なパターンを頭に入れておけば、苦労することも少なくなるのではないでしょうか。特に「時間軸」を用いる整理の仕方は、習得すべき必須事項です。
▼【営業取引を分析する場合】(図1)
私はこの表を、銀行入行3年目で初めて営業に出た時に、まず作成しました。攻める先とそうでない先を、「顧客売上高」と「銀行収益」の2軸で明確に区別して営業した結果、預金・融資などの取引が大幅に増えました。
営業コンサルティングではこのことを、
TAM(Total Availability Market)
=お客さまの全購買量、
SAM(Served Availability Market)
=自社の納入量
と呼び、購買金額が大きく、自社のシェアが低いお客さまには、食い込む余地が大きいことを示します。
また、マトリックスで考えることは、2軸で考えることの発展型と考えても差し支えなく、縦軸、横軸が2層、3層に及ぶ場合などに整理するのに役立ちます。
▼【業務進行表・プロジェクト管理表など】(図2)
【PPM(Product Portfolio Management)】
マーケティングを勉強した人なら誰でも知っているPPMです。
製品・商品を、市場成長率とマーケットシェアの視点から、
4つのマトリックスに分類したものです。
▼【PPM】(図3)
▼【事項のメリット・デメリットを検討する場合】(図4)
その他の視点を列挙しておきますので、普段の業務でご活用いただきたいと思います。
・「緊急性」と「重要性」
・「スピード」と「正確性」
・「費用」と「効果」
・「リスク」と「リターン」
・「発生頻度(可能性)」と「影響度」
・「需要」と「供給」
・「項目」と「時間軸」
・「強み」と「弱み」
・「機会」と「脅威」
・「項目」と「課題」+「対策」
・「項目」と「内容」+「対策」
・「項目」と「各部署」
これまで、視点や目のつけどころを養うための10のコツ、全ての説明が終わりましたが、来週は10のコツ+αとして、「11.層別で考える」をご紹介いたします。
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