メールにおけるクレーム対応には対面や電話でのクレーム対応とは別の、特有なスキルが求められます。今週は、Eメールのメリット・デメリットを踏まえ、Eメールを活かすポイントについて考えてみましょう。
■Eメールのメリット・デメリット
Eメールには以下のようなメリットがあります。
・相手の都合によらず、すぐに届けることができる
・保存可能であり、内容に関する勘違いや、「言った、言わない」というトラブルが回避できる
・個人宛に送信することが可能で、メール文の内容が人目に触れにくい
その一方で、デメリットもあります。
・相手に必ず届く保証はない
・相手がすぐに読む保証はないので、緊急・重要案件などの場合には、電話など確実な手段でフォローが必要である
・基本的に文章で作成するため、その文章が冗長・意味不明あれば伝わらないし、読まれない
・安易な記述によってトラブルが発生するリスクがある。
・(自分の意図と無関係に)第三者に転送されることがある。
ビジネスEメールで最も重要なことは、「必要な情報が迅速かつ正しく伝達される」ことです。以下のポイントに留意しましょう。
■Eメールを活かすポイント(1)メールと他の手段(紙・FAX・電話など)との違いを認識
Eメールは万能ではありません。Eメールは手軽で、相手を拘束しない長所がありますが、対面や電話での応対と比べると微妙なニュアンスを伝えることはできません。相手に何を伝えるかによって、最適な媒体を選ぶようにしましょう。
・対面/電話の方がメールより相応しいのではないか?(早い、確実 など)
・メールに逃げていないか?(言いにくいことなど)
・メールを送りっぱなしにしていないか?(送信=業務完了と思ってないか?)
など
■Eメールを活かすポイント(2)メールの返信は24時間以内
受信したメールを放置してはいけません。すぐに回答できない時は、まずは「回答まで時間を頂きたい」ことを伝え、相手の承認を得ましょう。この場合は、電話の方が早く、相手にも納得いただけるでしょう。
【参考】
「ただちに」「すぐに」対応いたします。=○○以内に対応いたします。
「のちほど」対応いたします。=○○以内に対応いたします。
「後日」御連絡いたします。= ○○内に御連絡いたします。
また問い合わせ内容によっては別の担当者から回答をするケースも考えられます。その際にはまずお客さまに対して「問い合わせメールを受信したことの確認」とともに「別の担当者から返答すること」を連絡しましょう。その際に返信期限の目安も連絡できるとなお親切です。
■Eメールを活かすポイント(3)相手のメール利用頻度を踏まえた対応を心がける
メールは、常にチェックしている人もいれば、1日に1回という人もいます。あるいは、出張などで見られない場合もあるかもしれません。余裕をもって送ることが大切です。緊急時は電話で連絡しましょう。
■Eメールを活かすポイント(4)相手の心情を理解した対応
トラブル対応時は、メールを返信後、電話でも連絡しましょう。相手の心情を理解し、迅速に対応している旨を伝えることが大切です。とにかくメールに頼りすぎてはいけません。
☆来週につづく
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方