先週まで、第1の基本手順である、「心情理解」と「お詫び」についてみてきましたが、今週はその次のステップの「事実確認」です。
(1)クレーム解決に必要な事実を集め、整理して、記録する
ア.必要なことはすべて記録する
小さなことでも、正確な記録をとることが重要です。相手の言葉のうち、キーワードになるものを強調して残しておくのがポイントです。
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イ.事実関係を把握する~最大限把握する
相手に合わせて興奮しても何の解決にもなりません。冷静に事実関係や状況を把握しましょう。
例えば、以下のような内容を正確に把握することが重要です。
1.いつ、どこでトラブルが発生したか?
2.どんな事が起こって、何に対して不満を感じていらっしゃるのか?
3.誰が不満を持っているのか?
4.問題点は何なのか?
5.当方に対して、どうしてほしいと思っているのか? など
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ウ.メモの再構成
次に、お客さまの断片的な話をまとめ、事実をわかりやすく整理します。まとまらない文章で残しておいたのでは、迅速な対応を妨げる元となります。
ここで正確な記録を取っておくことが、迅速かつ的確な判断の第一材料になります。
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(2)適切な質問で事実を固めていく(訊くスキルを磨く)
質問は、短く、簡潔に、そして趣旨を明確に行う必要があります。その上で、期待する回答を引き出せるように訊くスキルを磨きましょう。ただし、質問をする際には、その前に、必ずお客さまに確認をとりましょう。
※質問の仕方
・当事者意識を高めるために「訊く」
⇒「○○についてはどうお考えですか?」
・重要なことの念押しのために「訊く」
⇒「○○については理解いただけたでしょうか?」
・確認したいことを直接「訊く」
⇒「どんなご不便をおかけいたしましたか?」
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(3)業務知識、一般常識も不可欠
クレームの対応には、的確な事実確認が不可欠です。ただし、正確な業務知識がなければ、的確な事実確認はできません。逆に言えば、正確な説明をすれば納得していただけるケースが大多数です。
また、クレームの際には、お互いの「常識」が異なっている場合もあり、その部分を折り合わせるためにも、注意深く、相手のお話を聞くことが重要です。