【1】職場でのクレーム情報の共有を進める
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みなさまもご経験があると思いますが、トラブルやクレームの情報は、なかなかうまく職場内で伝達されず、共有されない性質があります。
そこで、即効性がある方法として、月1回1時間程度の「職場内クレーム対策会議」を開くことをおすすめします。
「クレーム対策会議」は、クレームだけを議題にして話し合うもので、クレーム情報・対応策の共有を目的として実施します。「三人寄れば文殊の知恵」ではありませんが、職場のメンバーとわずかな時間でもミーティングするだけでクレーム事例はいろいろ出てくると思います。
月1回、1時間のクレームの洗い出しミーティングを開催して、「クレーム洗い出しシート」に、1人3個程度を目標として、気がついた事例を書いてもらいます。このとき、内容が重複しても構わず書き出すことにしましょう。これにより、クレームの内容はもちろん、その発生頻度や対応難易度も自然に確認できます。
会議の中では、過去1ヶ月間で自分が対応したクレームについて、その対策やその結果も含めて、各自発表します。注意点としては、ほかの議題を同時に扱わないことです。必ずクレームだけを議題にしてください。
【2】クレームを組織として削減していく
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社内・職場のクレームを洗い出し、その種類・傾向が分かったら、次にどのクレームから優先して組織対応していくかを考えなければいけません。クレームは、発生頻度が少なく、リスクが小さいものに対して、いくら対応策を考えても効果は限られます。
まず、真っ先にとりかからなければいけないのは、「発生頻度が高く」、かつ発生すると「リスクが大きい」クレームです。
【3】3ヶ月でクレーム「対応力の向上」と「数の減少」を実感するには
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この会議を開催して3ヶ月も経つと、職場のクレーム対応スキルは相当上がってきます。さらに1年も続ければ、クレームは目に見えて減っていくでしょう。
また、会議を行うことにより、「どのクレームの頻度が一番高いか」「難しいクレームにどのように対応したら良いか?」など、クレーム情報が共有できると同時に、対応方法も共有され、社員各自の対応スキルも向上します。
結果的にはクレームを大幅(場合によっては10分の1)に削減することが可能です。さらに、クレーム件数をカウントし、会議の場で発表することで、会議の効果を実感することができます。
【4】ロールプレイングで実際に体験してみるのが効果的
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会議の中で、クレーム対応者とクレームを申し立てる人に分かれて、ロールプレイングを実施すると、より効果的にクレーム対応スキルを身につけられます。実際にクレームに対応した担当者は、克明にクレームの内容やお客さまの「言い方」「表情」などを覚えているものです。
そこで、クレームを受けた者がその内容を再現し、別の人がクレーム対応の練習を行うのです。実際に体を動かしての疑似体験となるので、一番の練習になります。
組織のクレーム対応能力の向上には、やはり個々人の能力向上が必要不可欠となります。
≪ご参考≫ ロールプレイングで実際に体験してみるのが効果的
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◆会議開催のポイント◆
・毎月1回定例化
・1時間に限定
・「クレーム」についてだけの内容に絞る
・他の議題と並行した会議にしない
◆会議の3本柱◆
・クレーム対応のスキル強化
・改善策検討
・クレーム情報の共有
◆ロールプレイングで、実践的な応対スキルを強化◆
~他の方が上手に対応するのを「見ているだけ」では対応術は上達しません。繰り返し実践練習に取り組むことが肝心です。