クレーム対応の勘所

 【基本手順】

クレーム対応の勘所

解決策を提示する(1)伝える際の心構え

基本手順 【4-1】

解決策を提示する(1)伝える際の心構え

これまで、クレーム対応の基本手順と、そのなかでも最も重要となる
「きく」技術について解説いたしました。

さて今週より、「基本手順4:解決策を提示する」に入ります。
クレームを激化させることなく、相手にこちらの言い分を伝えるための
技術と、個人だけでなく組織的にクレーム対応に取り組んでいくための
手法をご紹介します。


■「伝える」際に心がけること

「基本手順4:解決策を提示する」は、クレーム対応の基本手順1~3
にはなかった、こちらの言い分を「伝える」初めての場面になります。

前回も述べたとおり、クレーム対応は、「解決する」ために行うものでは
ありません。あくまで「激化させない」ために行うものです。よって、
「基本手順4:解決策を提示する」の意義は、「完璧な解決策を提示する」
ことではなく、「うまい伝え方」をすることになります。

基本手順3までで大事なことは、相手の心情を思いやり、ひたすら
相手の話をきくことでした。「忍耐」が求められる場面でしたよね。
しかしこの「伝える」場面で求められるのは、
「覚悟と勇気」、ということになります。


■クレーム対応はあくまで人対人の勝負!

クレームを申し立ててお怒りの相手に言い分を伝えるのは、誰でも
腰がひけ、身構えてしまうものです。特に担当者は、必要以上に
自己防衛に走り自分を正当化しがちです。法律などの権威や
ルールをたてにとってしまう人が多く見受けられます。

しかし、自分がクレームを申し立てた場面を考えてみてください。
対応した担当者に、最初から「ルールに従っただけなので」と
言われたら、どう感じるでしょうか?
「この担当者は、自分を大切に思ってくれていないな」と感じるのではない
でしょうか?そう感じてしまったら、相手の不信感は一気に募り、小さな
クレームも大きなクレームに発展してしまう可能性もあります。
自分自身の責任で対応しようとせず、他の権威やルールに
頼ろうとするのは、人対人のやりとりをする「覚悟のない、勇気のない」行為
に他なりません。クレーム対応はあくまで人対人の勝負だと心において
おきましょう。法律を持ち出すのであれば、人として手を尽くした後です。

◇NGワード例
×「法律には触れていませんが」
×「前例がありませんし」


■日頃から訓練・準備をする

伝える際に最も重要なのは、「覚悟と勇気」です。とはいえ、いきなり
クレームを申し立てられると、いかに勇気をもって覚悟していても、
思ったような対応は難しくなります。

そこで、やはり普段から訓練、準備をしておくことが重要になってきます。
具体的には、職場内で同僚とロールプレイングをしてみる、など、
知識として知っておくだけでなく、体感して慣れておくことをお勧めします。
「怒っている相手はこう言ってくる」ということがわかっていれば、
必要以上に身構えず対応することができます。

☆次回に続く。


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