■クレーム対応がうまくなるためには
クレーム対応がうまくできるようになるには、跳び箱と同様、練習に次ぐ練習が必要です。つまり基礎体力です。
「クレームがあったら嫌だな」と身構えると、その対応を早く終わらせたくて、すぐに代替案を出してしまいます。
手順を正確に踏まえる訓練をするには、ロールプレイが最も有効です。そのために、職場の中で大変だったクレーム例を出してもらいます。その例が10個集まれば、ほぼ職場におけるクレームのパターンが揃うのです。その10個の事例における対応を、繰り返し練習をしてみます。
例えばお客様役、クレームを受ける人、それを見ている人というふうに役割分担をして、何度も繰り返すことで、クレームへの対応力が高まってきます。
■クレームが起こる組織・起こらない組織
クレームを防ぐための大原則は、「組織対応」ということです。組織で対応しなければ、クレームがなくなることは絶対にありません。
もしあなたの部下がクレームに悩んでいるとしたら、それは上司であるあなたの責任です。クレームは、問題を共有したり、お互いに練習したりすることで大きく減らすことのできる性質のものなのです。
一番まずい状況とは、クレーム対応をしている人を遠巻きに見ていることです。「あいつは運が悪いな」などというスタイルが、職場にあってはなりません。
一つのクレームが全員で共有されない状態であることは、すなわち職場全員が平等にクレームを受ける可能性があります。
ですからクレームが起こったら、絶対に全員で共有しなければなりません。それから、事前に対応の手順を考えておくことが必要です。
クレームが起きたら、まずそれを共有し、解析し、ベストの対応方法を決めます。その対応までを全員で共有できれば、余裕を持ってクレームに対応することができます。
☆次週もお楽しみに!