☆今週のキーワード☆
【CS(顧客満足)】
■アンケート調査の留意点
CS調査の良し悪しでCSは決まるとも言われています。それでは、アンケート調査で注意しなければならない点はなんでしょうか?まず、アンケートの目的が何であるかという点です。定期的にCSの状況を調査するためということもあるでしょう。課題はわかっており原因追求のためにあるいは対策案を検討するためのアンケート調査もよくあります。
目的が不鮮明なままで行うと、その後のCS向上策の実施に悪影響を与えるのは言うまでもありません。
次に、アンケート調査の対象、すなわち「誰に聞くか」という点にも注意が必要です。また、個人と法人とを分けてそれぞれ聞く場合もあるでしょう。顧客満足度を顧客維持という観点でアンケートをするならば、取引年数別とかという見方も入ってくるでしょう。
第三に、「何に満足か不満足か」という点も鮮明にする必要があります。商品そのものに満足しているかどうか、窓口・営業担当などのチャネル別それぞれのサービスに満足しているかどうかといったことです。あるいは、営業の提案力が弱いというのが課題でアンケートをとるならば、この課題に焦点をあてなければならないでしょう。さらに、大きな組織になるほど、商品と営業推進の部署とが違うなど、縦割り組織の弊害をCS対策でもよく見かけます
■分析のためのモノサシ
一般的に、CS調査の満足度の結果は、「満足」「どちらかといえば満足」「どちらともいえない」「どちらかといえば不満」「不満」とか「良い」「まあまあ良い」「普通」「やや悪い」「悪い」の5段階評価を比率で表しています。(正確には「わからない」「無回答」もあります)。さらに、CS調査では、満足や不満を点数化する場合が多くあります。例えば、日本経済新聞社の「金融機関ランキング」は、1.接客・営業時間(窓口やATMの立地・営業時間の長さ、事務処理の迅速さなど)、2.商品・サービス(品揃えや商品説明の分かり易さなど)、3.信頼性(経営の健全性や情報公開度など)、4.今後も利用したいかどうかの4分野、合計21項目を点数化して順位をつけています。この点数のことをCSI(顧客満足度指数Customer Satisfaction Index)といいます。
■日本版CSI
2010年になって、経済産業省と連携したサービス産業生産協議会が日本版CSIの調査結果を発表しました。業界横断的な指標として日本で初めてという点に加えて、顧客満足度指数だけでなく、満足・不満足となった要因について評価しています。すなわち、顧客満足」の他、「顧客期待」「知覚品質(利用した際の品質評価)」「知覚価値(価値へ
の納得感)」「クチコミ」「ロイヤルティ(継続的な利用意向)」の要因間との因果関係を示しています。今後、このような業界横断指標が多数出現するかもしれません。「評価指標はコロコロと変えない」が分析の世界の鉄則であるが、今後は、大胆な指標変更が起こるかもしれません。大きな変化が起これば、またこのメルマガでご紹介させて頂きたいと思います。
今回はここまで。来週もお楽しみに。
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