☆今回のキーワード☆
【CS(顧客満足)】
今回は、クレーム対応によるCS(顧客満足)向上策を紹介します。クレーム対応は、ある面で、CSの推進の原点ともいえます。顧客の「不満」「不快」をどうすれば解消できるかを考えることから、顧客と「現場」双方の不満解消が可能です。クレーム対応の手順の基本的な流れとして、次の4つの基本手順をご紹介いたします。
■「組織を代表している」という意識を持つ
まず「組織を代表している」という意識を持つことが重要です。クレームは個人に対して寄せられるものではなく、組織に対して寄せられるものも多くあります。「それは担当者の○○の責任ですね。」という例にみられるように、自分は当事者ではないので関係ないという態度は、お客さまの気持ちを全く汲んでいません。自分のしたことが原因でないクレーム(上司・同僚などが引き起こしたクレーム)に対しても、組織の代表として対応することが基本です。
■お客さまへ心情の理解を示す
お客様の心情を理解する上で留意したほうが良い点を挙げていきます。第一に、クレーム対応の第一声は「お詫び」から。「お詫び」がないことで、お客さまが「対応が悪い」と感じ、クレームが拡大してしまうのです。困っている人がいたら同情するのはごく当たり前のことであって、"自分たち側の非を認めて謝罪"とは次元が違います。この点で、裁判にまで発展するクレームは原告側コメントに「まず謝ってほしかった」というものが少なくなく、お詫びは裁判上で不利ではなく有利なのです。「お時間を取らせてしまいまして、申し訳ございません。」「ご不便をおかけしまして、誠に申し訳ございません。」など誠意のこもったお詫びが普段から言えることが重要だと思います。第二に、お客さまの言うことを「3分間」は必ず聴きます。長期的に関係を良好に保つためには誠実な態度で臨むことが必要です。言い訳・言い逃れのようなその場を取り繕うことは逆効果です。
■事実の確認する
心情理解した後は、何が問題になっているか、お客さまの要望について事実を確認することになります。クレームを受けた一次対応者が騒ぎ立てていても、問いただしてみると、何が起こっているのかさっぱりわからないことがよくあります。当然ながら「事実確認」がきちんとできないと、クレームは解決できません。第一に、慌てずに、冷静になって、「通常通り」に事実を確認しましょう。次の事項についてしっかりお客さまのお話を「聴く」ことと「何が問題なのか?」「お客さまは何を伝えたいのか?」ということを意識して、お客さまに訊く(=質問する)ことがポイントです。
■代替案・解決案の提示
事実確認をしたうえで、「解決策を提示」することになります。ここで注意する点は次のとおり。まず、組織の論理を持ち込むな、という点です。「法律には触れていませんが」「前例がありませんし」「ただいま担当者は食事中で、○時○分までおりません。」「ただいま○○は会議中です。」「どうかご内聞にしていただけないでしょうか。」という対応が典型的ですが、回避したいものです。もう1つが、解決案は6W3Hの枠組み(なぜ? 何を?どうする? 誰が?いつまでに?どこで?)で考えるとモレなく、容易に整理が可能です。
今回はクレーム対応の基本的な手順をご紹介しました。クレーム対応で大切なことは、お客様への敬意と、問題を整理し基本手順を丁寧にクリアしていく真摯な姿勢です。実務においては、非常に難しいことですが、クレーム対応の良し悪しは、CSに大きく関わってきます。ぜひ、みなさまご実践ください。
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