■想定外の準備不足
今回の震災に遭遇して、災害への対応ができなかったことを「想定外」
というマジックワードで済ませていらっしゃいませんか?
それなりのBCPがあったにもかかわらず、
教育・訓練が不十分だったために本番では役に立たなかったという
企業も少なからずあったようです。
代表的な例として、「BCP作成者しか対応の仕方がわからなかった」
というものが挙げられます。
・BCPを作りっぱなし
・BCPの内容を関係者に周知徹底していなかった
・仕事が属人化していた
このような原因につきあたります。
「想定外の大きさ」の地震・津波だったことは事実だったかも
しれませんが、「想定外の準備不足」という冷徹な事実にも
目を向けたほうがよいでしょう。
■威力を発揮する準備
BCPの訓練で、意外に役に立った例を紹介いたしましょう。
これは、神戸・淡路大震災の反省として、一部の企業が実際に
実施しているものです。単純ですが、
毎年1回、勤務地から自宅まで歩く訓練です。
どの程度で疲れるか持久力が自覚でき、どこにコンビニ・公園・
公共施設などがあって水の補給、トイレ休憩ができるか、
あるいはどこの道が危険かなどが確認できます。
実体験に基づいたものは、いざというときに強いです。
緊急時の避難は最終的には自分の足しか信用できません。
経営トップが、日頃の危機管理の判断軸を持っているかどうかも
BCMで差が出てきます。
例えば、日本マクドナルドの原田泳幸会長が言うように「トップはP
(人的被害)、S(社会的責任の状況)、B(ビジネス)の順番で物事を考え、
時間経過ごとのリスク状況を把握し、都度、適切な資源配分を考える」
というような判断軸を持つことは重要です。
あらゆるリスクを想定するなど、どだいムリな話です。
☆来週もお楽しみに!
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