IT系・理科系において、提案書を書く機会は少なくありません。
特にシステム開発などのように顧客一つ一つに合わせて解決策を設計しなければならない業種の場合、提案営業が効果的となるため、そのための「提案書」は必須手段といえるのです。
私も会社員時代、システムエンジニアや新商品開発の担当しており、一般企業や官公庁に新商品の内容を説明する資料を作ったり、様々な提案書を書く機会を与えられました。
このような提案書の書き方は誰かに習うわけでもなく、その形式は様々なのが一般的です。ですから、その完成度には、人によってかなりの差が生じます。
「客先に行ったときに、かなり詳細に商品説明をするので、全体像がわかるレベルで作成する」という人もいますが、実際には詳細な提案書なしでは、営業は成立しません。
そして、正式な「提案書」作りは、形式と基本を学ぶとそんなに難しいものではありません。
■法人営業では「提案書」はかならず必要
法人営業で物を売ろうというときには、担当者でも、社長であっても、一存で決定することができないということを踏まえます。必ず、稟議を経て、社内で決裁を取る必要があります。
そのために、他社と比較して、相対的に「安いと判断できる資料」「品質が良いと判断できる資料」が必要です。つまり、提案書は、目の前の人を説得する道具であると同時に、商談相手が社内を説得する道具でもあります。提案書は「社内向け」と考えましょう。
よって、お客さま先に合わせた資料を作る必要があります。その資料の内容は、先方からヒアリングした情報を踏まえて作ります。以下、一般的な提案書を作成するポイントをご説明していきたいと思います。
■提案書作り、形式面での当たり前のポイント
ビジネスマナーと同様(法人営業では特に)、提案書の形式面での美しさは、セールスのポイントになります。いかに担当者が商談上手でも、商品・サービスが優秀そうに見えても、イケメンでも、提案書がイマイチでは、相手に信頼していただくことはできません。
特に、誤字脱字や数字の間違いなどの基本的なミスは、慎重な企業担当者に大きな不安を感じさせてしまいます。「この会社から商品を買っても、きちんと納入されるか?」「アフターサービスは大丈夫か?」など。いらぬ不安を起こさないためには、以下の点を提出前に再チェックしてください。
1.誤字・脱字がない
2.商品の中身、前提条件、納期、金額が正しい
3.相手の企業の社名、担当者の役職を間違えない(略称は不可)
4.枚数はできるだけ少なく
(枚数が多ければ、作るのにも説明するにも時間がかかる)
5.過剰な飾りはいらない(必要以上にカラフルにするなど)
特に注意しなければいけないのは、数字の間違いです。桁違いなど金額の間違いは、致命傷です。案件が獲得できないばかりか、自社の収益がふっとびかねません。しっかり確認して、提出しましょう。念には念を入れて、上司に見ていただくような、慎重さが求められます。
☆次回の提案書(2)では提案書作りの秘策についてお話します。お楽しみに!