IT系・理科系において、飛躍的に業績を伸ばしているのは、企画力のある企業です。今は、従来どおりのことをやっていればいいという時代ではなく、時代に即した「新しい企画」が常に求められているというわけです。
かつて「企画」は、冴えたアイディアや飛びぬけた発想など、個人の資質に頼りがちな部分もありました。しかし、今は特定のアイディアマンが企画を出すのを待つのではなく、誰もが一定の企画力を持つことが求められています。なぜなら人や組織を動かす「新しい企画」がなければ、生き残っていけないからです。そこで、今日は「企画力のある人材」になっていただくために、理解を深めていただきたいと思います。
■「企画力」とは?
1.アイディアを出す力
2.そのアイディアを現状に合った「企画書」にする力
3.社内の関係者やお客様にそれを伝える力
「企画力」はこの3つのスキルで成り立っています。
まずはアイディアを出し、現状を調査し、企画書を作成するという作業を順に行います。最後に、企画を実現させるためのプレゼンテーション力が必要となります。
■アイディアの出し方(発想のしかた)について
まず、「何について考えるか?」を明確にします。考える方向性を決め、ターゲットを絞りきれないと、拡散してしまうからです。その上で、ひらめき、発想優先で潜在的な課題、将来成長する際に課題となる点まで洗い出します。
次に情報収集をします。自分の業界だけでなく、あらゆる分野、あらゆる瞬間も意識してアンテナを張り、「情報」に注意をします。
一定時間、考えます。まずは短時間(15分程度)集中して考え、寝ても、醒めても頭の隅に考えるべき事として、置いておきます。時々、取り出して考えます。
人間の頭脳は良くできているので、長時間考える必要はなく、寝ている時や他のことをしている時に考えさせれば、効率的に考えがまとまります。こうやって考え抜くことで、いいアイディアは生まれ、時間と共に発想を具現化させていきます。
■発想を出すための5つの方法
1「改善法」
~既存のサービスに関する要望(不満)を担当者、顧客から調査し、
それをベースにさまざまな企画を実施すること
2「翻訳法」
~他の国、同業他社、他業界にあるものを自分の業界に持ってくること
「アメリカでは・・・」「欧米では・・・」「伊勢丹では・・・」「トヨタでは・・・」
「若い女性は・・・」
3「マトリックス法」
~表を作成し、欠けた(弱い)エリア・部分の商品を開発すること
4「定点観測法」
~一定時間特定サービスの利用者を観測し、特異な行動がないかを調
査し、サービス開発に活かすこと(職場、売り場、窓口、工場などに
丸1日中座ってみるなど)
5「合体法」
~ある分野のものと別の分野のものを合体させること(ラジオ+カセッ
ト=ラジカセ)
☆次回の「企画書(2)」では、アイディアを調査・分析し、検証します。
お楽しみに!