【板橋講師研修を語る】
板橋講師研修を語る 【3】
※バックナンバー
【第1回】
「仕事の歩み」「ケーススタディを中心にしたリスクマネジメント研修」
【第2回】
「システム営業の"責任"」
《OJTは「計画」と「協力」が大切》
◇新入社員研修が終わった後の、OJT研修(On the Job Training)はどのように行っていたのですか?
◆私が前にいた会社では、新人が部署に配属になった時に、1年間責任を持って新人のOJTを担当する人間を決めていました。
◇ただ、OJTは担当者だけに任せっきりになって、負担が大きいということがよく問題になっていますが、その点はどのようにフォローされていましたか?
◆やはり、OJT担当者に放っぽらかしになることが多いですので、教育部門と現場が一体になって、担当者に任せきりにしないように注意していました。
◆OJT担当者は、ただやみくもに新人を教えればいいというのではなくて、計画に則ってOJTを進める必要があるということを知ってもらう必要があります。OJT担当者には、1日の「OJTトレーニング(研修)」を受けさせます。
そこでは、新人との接し方や教えるポイントなどをレクチャーするとともに、どのような工程で、また、どのような目的・ビジョンを持ってOJTを進めるかという計画を作ってもらいます。ただやれというだけでなく、何をすべきかを担当者に教育し、しっかりと認識してもらいます。
《OJTは企業戦略と同じ方向性が必要》
◇OJT担当者には、若手社員をつけることが多いと思いますが、ある意味で、OJT研修は、自分がやってきた仕事を本当に理解しているかを確認する意味でも重要ですね。本当に仕事のことを理解していなければ、なかなか人に教えることはできません。教えること自体が自分が学ぶ一環ですからね(「教ふるは学ぶの半ば」)。
◇また、板橋さんは長く、教育・研修の分野に関わってこられましたが、何か、仕事をしていてお感じになったことや、同じ立場の方へのアドバイスみたいなものはありますか?
◆人材を一人一人育てていくためには、会社の方針やビジョンや、人材の育成戦略などをおさえ、それらの大きな方針をしっかりと踏まえた上で、どのように人を育てていくかという計画を立てる必要があります。その上で、その計画に則って、どのような能力を社員につけさせたいかを考えます。企業としての戦略と人材の育成をリンクさせることが重要です。
◆それとともに、会社の取引先や、お客さまに対する満足を与えることができるような、お客さまの視点で物事を判断できるような人材を育てるということも重要です。
《OJTの基本はお客さま視点をつけること》
◆研修の時に、よく新人に、「みなさんの給料はどなたから頂いているのですか」と聞いていました。そうすると、「会社から」と答える新人が半数ぐらい。最近は、「お客さま」と答えられる新人も増えてはきましたが、あまり多くはありません。しかし、会社の存在価値というのはお客さま抜きにしてはありえないということをしっかり意識して欲しいですね。
◆また、先ほどもいったように、会社の独自性をもって、人を育ててほしいですね。「人は盆栽と同じ」と仰った社長がいましたが、手塩にかけて、時間をかけてその会社ならではの方針で、その人にあった最良の形で、人材を育成することが重要です。
◆話は変わりますが、ついこの間までは、知識を「覚えろ」という研修が多かったですが、インソースの研修もそうですが、最近は、「気付かせる」「考えさせる」「行動を変える」研修が増えています。
◆これは重要なことで、「聞いた研修はすぐ忘れます」。しかし、自分でも苦しんで考えて、得たことは後に残ります。
◆インソースの研修は考えさせる研修です。しつこいくらいにロールプレイングやケーススタディなどの演習を行って、講師も受講者もヘトヘトになる。ただ、その苦労は受講者の血肉となり、後の財産になります。
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※インソースの「新入社員研修」
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方