【ホウレンソウを鍛える新人フォロー研修】
ホウレンソウを鍛える新人フォロー研修 【2】
(前回のつづき)
■入社6ヵ月後の課題
入社後にフォロー研修を実施する際、研修ご担当者が「教えたいこと」と、新人が「教わりたいこと」には、大きなアンマッチがあります。
今回は、両者の要望を満たしつつ、新人にスキルをつけ、元気になってもらうプログラムを考えてみました。
■「近況報告ワーク」と「スキル向上」を組み合わせる
「配属当初は元気だったのに、最近はあの頃の元気が全くないな」と社内で心配される新人は必ずいるものです。
そのような場合の新人フォロー研修では、新人同士で近況報告をお互いにさせ、経験を共有させることにより、意欲向上を図る手法が有効です。
職場での苦しい経験やうれしい経験を発表し合うことで、
「ツライのは自分だけではない」「同期も頑張っている。自分も負けていられない」と不安を解消させ、安心させると同時に、ライバル心を刺激して、再び仕事に対するモチベーションを高めていただきます。
しかし、近況報告ワークによる意欲向上策は、主に気持ちに働きかける方法であり、研修効果はあまり持続しません。
職場に戻った直後は、良い顔で仕事をしますが、再びツライ事があると元に戻ってしまいます。
■業務スキル向上こそが意欲向上の王道
新人フォロー研修で気をつけるべきことは、少しでも仕事を上手にできるようにさせ、褒めて意欲向上に結びつけることです。
よって、新人に共通して求められる業務スキルを習得できるカリキュラムを組み込みます。
【意欲向上の仕掛け】
1.新人フォロー研修で業務スキルを習得
↓
2.職場で習得したスキルを活用
↓
3.職場での評価向上=仕事に対する意欲向上
↓
4.意欲向上により新しい仕事にチャレンジ
■ホウレンソウの研修で新人と社内の悩みを同時解消
研修担当者と受講者とのニーズがマッチするホウレンソウの能力を身につける研修を取り上げます。
実際に社内で研修を実施する際には、これと併せて、ビジネスマナーの振り返りなどの実施もお勧めします。
■ホウ・レン・ソウができない原因は「常識のズレ」
「最近の若手はホウレンソウ(報告、連絡、相談)ができなくて本当に困る」と多くの上司の方々から相談を受けます。
ホウレンソウができない原因は、お互いの 「常識」のズレが原因であると考えます。
若手の「常識」がビジネスをするレベルに至っていないのが最大の要因です。
実際、ビジネスパーソンとして長く働き、常識のすりあわせが進むと、的確に「報告・連絡・相談」ができる様になってきます。
例えば、新人に「なぜ職場ではホウレンソウが必要だと思 いますか?」と質問すると、多くが「情報共有のためです」と回答します。
しかし上司や先輩に対して「新人になぜホウレンソウをさせるのですか?」と質問すると、「新人に任せた業務の成果を確認するため、つまりリスクヘッジのためです」との答えが返ってきます。
このように、もう入り口からズレが存在しているのが実態です。
■ホウレンソウの意義が「リスク管理」であることを教える
まずは、仕事のリスク管理のためにホウレンソウが絶対必要であることを教えます。
「組織と仕事の関係は複雑で多層的であり、組織が新人に全面的に仕事を任せることはない、よって、報告・連絡・相談は当然にあるべきだ」という事を認識させます。
しかし、これだけを伝えると、仕事に対する意欲を失いかねません。
併せて、本人のメリットも伝えます。そもそも新人自身に、ホウレンソウによる利益実感がないため、「言われたことしか答えない」ようになっている場合が少なくありません。
■学校と職場の違いを説く
ホウレンソウを説くにあたって、学校と職場の違いから改めて説明するといいでしょう。
「会社は学校ではなく、年数回の試験成果だけで評価されることはない。毎日の積み重ねの中で評価が得られる」ということを教えていきます。
■新人の気持ちにも配慮し、「メリット」を説く
どの職場でも、新人には難易度が低い業務から任せます。
そして、多くの場合、業務の難易度と達成感は比例します。多くの新人は、最初に依頼される業務に、あまり満足がいかないものです。
「こんなことするために入社したわけじゃない。私はもっとできるのに」。誰もが一度は思うことです。
しかしながら、業務の習熟度の向上と共に依頼される業務の難易度は、飛躍的に高まっていきます。
習熟度が高ければ、一足飛びに難易度の高い、いわば、「やりがいのある仕事」が任されることも十分ありえます。
「自分は、どんな仕事をどれくらいの時間で、どんな品質で行うことができるのか」をしっかり上司に伝えることが大前提であり、早くやりがいを得たいのであれば、早く業務を覚え、毎日の報告・連絡・相談の中で早期に評価を得ることが重要であると新人に伝えます。
新人フォロー研修の中でも、この話をしたタイミングで新人の目の色が変わります。
効果抜群ですので、是非、この話を新人にしてあげてください。
■改めて報・連・相の「技術」を教える
しかし実際のところ、意欲だけを喚起しても続きません。即効性、継続性を考え、形式面からも上手なホウレンソウを教える必要があります。
【適切なホウレンソウとは】
・ホウレンソウが必要な事象かどうかを判断すること
・簡潔明瞭であること
・タイミングが適切であること
☆続きは次回・・・お楽しみに!
* * *
【新入社員研修・新人研修ラインナップ】
■新人のためのビジネス基礎研修
~マナー・コミュニケーション
■新人のためのビジネス文書研修
~「書く力」を強化する
* * *
その他、お客さまのご要望に応じて必要なカリキュラムを作成させていただきます。
是非、お気軽に お問い合わせ・ご相談 くださいませ。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方