■お悩みの一番は「OJT担当者が新人の面倒を見切れない!」
新入社員の配属後は、人事担当の目が行き届きにくく、その分、様々な問題が発生してしまうものです。様々なお客さまからの「これは困った」ということが、来年度の育成計画のご参考になればと思い、お聞きしました。
配属後の育成で一番困ること、それは「OJT担当者の指導放棄・育成のばらつき」であるようです。これについては、色々なご意見を頂戴しました。
「OJT担当者は仕事のできる者を任命しているが、業務量が多く、なかなか面倒を見切れていない」
「色々な言い訳をつけて、OJT担当者が指導を放棄する(その業務は知らないから、どこまで指導していいのか分からないから、周囲の協力が得られないから・・・等)」
前回もお伝えした通り、OJT担当を任ぜられる人は「仕事ができる」方になることが多いようですが、仕事ができるとは、その分業務量も多く忙しいということでもありますから、落ち着いて新人指導ができないという結果になっているようです。
■周囲の理解・協力のなさが「新人指導放棄」につながることも・・・
またそのような状況にあるにも関わらず、上司や同僚から理解・協力が得られないために、OJT担当者だけが本来業務と新人指導の両立に悩み、最終的に、新人指導が見捨てられてしまうということも往々にしてあるようです。
さらには「教えるべき手順と、例外手順・社内の暗黙のルールを混同して教えてしまい、気づくと新人があるべきやり方で仕事をしていない」ということもある模様。
これらを解決するためには、「OJT担当者の育成を今よりも手厚くする」こととともに、「周囲の人間に理解を求める」ことが必要となります。OJT担当者向けの研修には、彼ら自身への教育という第一次の目的のほかに、担当者が不安に思っていることを研修内で吸い上げ、それを基に担当者の上司や同僚の関わり方や、実際のOJTスタート後のフォローアップについて検討できるというメリットがあります。来年度のOJT研修のご計画時には、この「OJT担当者へのフォロー」についても併せて考えられてみてはいかがでしょうか。
■マナーが悪くなる、服装が派手、だけど注意できない現場の状況
一方、配属後の新人についても様々な悩みがあるというご意見もありました。目立ったのは「マナー・服装の悪さ」。
新人研修でしっかりと教えたはずなのに、だんだんと悪くなるマナーや服装。これについては「職場の先輩のマナーや服装もあまり良くなく、新人もそれに倣ってしまう」「服装が派手ではあるが、どこが悪いというのがはっきり指摘できない」など、人事部サイドだけではコントロールできないこともあるご様子。
にも関わらず、「マナーが悪い! 挨拶ひとつもできない! なんでこんな新人を採用したんだ」と現場から文句を言われてしまうというお辛い事情も教えていただきました。
研修で教えられることと現場の「理想とギャップ」の差に新人が翻弄されてしまうことのないよう、新人研修はもちろん、「現場の人間の意識づけ」を事前に行うことが、新人にも、OJT担当者にも必要なことだといえるのではないでしょうか。
☆次回もお楽しみに!