OJTをより効果的かつ組織的に推進するために、OJT監督者に求められること。それは、「育成方針の認識」→「目標の設定」→「目標達成のためのスキルの洗い出し」→「スキルの習得方法の検討」→「スケジュール化」という、育成計画を作るにあたっての一連の流れを踏まえて作業を進めることであると先週までにお伝えいたしました。
さて今週は、OJT監督者として、育成環境をどう作っていくべきかというお話です。
■育成環境作り
育成環境を作るにあたり大切なことは3つあります。
(1)部署内への周知
スムーズなOJTの進行のためには、部署内のメンバーからも一定の理解と協力を得る必要があります。メンバーの理解と協力によってOJTトレーナーの負担を軽減させることを心がけます。
(2)部署内集合研修の企画
OJTの基本はマンツーマンですが、数名の部下・後輩をまとめて1名のOJTトレーナーが教える「部署内集合研修」の手法を活用することも、育成を効率的に進める上で有効です。また、複数の育成対象者が一堂に会して指導を受けることは、それぞれの考え方や取り組みをお互いに知る機会ともなり、効果的でもあります。
(3)OJTの最終責任者としての覚悟
もし、OJTトレーナーが部下指導において判断を誤ったり、困難に直面した場合においては、OJT監督者自身がその解決に当たることが必要です。自分がOJTの最終責任者であるという覚悟があればこそ、OJTトレーナーは高い意識をもってOJTにのぞむことができます。
■OJTトレーナーへの支援
社会人として未熟な部下・後輩に対して、同じくまだ若いOJTトレーナーが育成指導を行うにあたっては、さまざまな問題に遭遇する可能性があります。問題を未然に防ぐために、事前にリスクを想定し、早めにOJTトレーナーを通じて指導することが欠かせません
部下・後輩を直接指導するのはOJTトレーナーの役割です。一方、そのOJTトレーナーの指導の仕方や内容に気を配り、支援をするのがOJT監督者の役割です。実際にOJTを始める前に、OJT監督者とOJTトレーナーとの間で、部下・後輩に対する指導方法をすり合わせしておくことで、OJTが円滑になります。
☆来週は部下・後輩に対する指示の仕方についてのポイントについてお伝えします。