企業でも、業績のよい、あるいは、最近上り調子のところは本当に電話応対がよく、また電話応対に対して「社内の関心」が向けられてます。
業績好調だから、電話応対がすばらしいのか?電話応対で、顧客から信頼を得て、「買いたい」と思われるから業績が伸びるのか?それは「にわとりと卵」の関係で分かりませんが・・・。
自治体や独立行政法人の場合も、CSを向上させることが組織を向上させることと結びついています。
■携帯電話の普及と電話応対力との関係
私は昭和40年代前半の生まれですが、子供のころ、電話は家にあるものだけで親に代わって応対する機会がたびたびありました。また、友達と長電話をして、よく怒られたりもしたものです。
しかし、今の新入・若手社員にあたる年代は、親御さんから「電話」の出方を教わる前に自分の携帯電話を持ってしまっているでしょう。
例えば、「お父さんは」、「お母さんは」ではなく「父は」、「母は」「今、いません」ではなく「今、おりません」「帰ったらつたえておきます」 ではなく 「帰ったら、申し伝えます」というようなことを教わるチャンスが少なくなっています。
よって、現在の企業の、新入・若手社員の研修では、これまでにも増して「ビジネスコミュニケーション」としての電話応対に時間を割く必要があるわけです。
しかし現在、「電話応対」は、「新入社員研修」で習うか、あるいは、その機会さえなく、仕事の経験から学ぶだけというスキルでしょう。
つまり、最近の新入・若手社員は、家庭の「指導」や入社時の「研修」もあまりないまま、会社で電話応対をしているということが言えます。
■電話応対は「相手がどう感じるか」意識することが大事
これまでの「電話応対研修」においては、「マナー」や「敬語」が特に重視されてきました。
実は、「マナー」は○×があるので、わかりやすく、教えやすいという裏の事情もあります。
しかし、「言葉遣い」や「尊敬語や謙譲語の使い方」なども大事ですが、相手にどのように聞こえているかを配慮することが最も重要です。具体的には、以下の4点が重要です。
(1)明るい、あるいは信頼を感じさせる声、
(2)適切、かつ、バリエーションのあるあいさつ
(3)相手の用件に対して「関心」を持つ姿勢
(4)電話の相手が自社・自分の部署の取引先としてどのくらい重要な先かの把握
どんなに敬語が正しくても、暗い声で、「~を申し伝えます」という用件を聞くだけの電話応対より、やや尊敬語・丁寧語に欠けても、明るく元気よく、「戻ったら電話があったこと伝えますが、もしよろしければ、ご用件(ご伝言)、承りましょうか?」というほうが、相手に感じがよく、相手の用件も前に進みます。
「電話を代わって承る」勇気がなければ、「伝言を受ける」姿勢で十分です。一言、自分から言葉を添えて、「伝言するかどうか」の選択を相手に預けるだけで良いのです。電話応対に限らず、仕事の現場では、マナー重視よりも、効率性が求められます。
■「電話応対」は臨機応変に配慮あるもので
前述と矛盾するかもしれませんが、そのプライオリティによっては必ず、用件を承らなければならないこともあるでしょうし、相手の都合を重視して、相手からの再度の連絡を待ったほうがよいこともあるわけです。
報告・連絡・相談などの演習でも、実際の仕事で同様のケースがあっても「今日の演習と同じ判断基準ではNGの場合がある」ことはよくよく、説明します。
「○○すれば、間違いがない」というのは受け入れやすい考え方ですが実際にはそう簡単にはいきません。
「相手が言わない・言ってくれない」から「訊かない・気づかない」のは、幼稚な発想です。相手のことを配慮し、臨機応対に動くことができるのが理想の「電話応対」です。
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弊社のスタッフ・講師には、コールセンター経験が豊富な人材が集まっておりますので、新入・若手社員様向けの基本的な内容から、専門のコールセンターコンサルティングまで、幅広くお客様のニーズに対応させて頂くことができます。是非、「電話応対研修」をご検討の際は、インソースを宜しくお願い致します。
※「
電話応対向上研修」