【~住民と良好な関係を保つ「窓口接客」と「クレーム応対」(全4回)】
~住民と良好な関係を保つ「窓口接客」と「クレーム応対」(全4回)
先週は官公庁・自治体での接客のポイントとして、まず来庁を歓迎する
意識をもち、常に他人から見られているという意識を持つこと。また、
お客さまが何を求めているのかを考え、住民の「こころ」をつかむ
おもてなしをすることについてお話しました。
■CSはお客さまの期待からはじまる
いうまでもなく、住民に満足していただくことは重要です。しかし、
「大切さは理解できても、具体的に何をすればよいかわからない」という
声を多く聞きます。
民間企業におけるCS (Customer Satisfaction=顧客満足)は、
「お客さまの期待からはじまる」という考え方をベースにしています。
商品、接客ともに、お客さまが想定するより少し良いものを、提供
することを常に頭の中に置いておくことが基本となります。
お客さまに満足していただき、期待を裏切らない。それこそがCSの
本質なのです。この考えを行政に応用すれば、おのずと、
「地方自治体におけるCS=住民満足」の本質も見えてくるのでは
ないでしょうか。
住民の行政に対する要求を把握し、それに応えるような姿勢で
接すること。もちろん、制度上どうしても期待に応えられないという
場面も多々あることでしょう。
しかしそのような場合でも、相手の立場に立った姿勢で対応することで、
住民の不満を最低限抑えることが可能となってきます。
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■自治体におけるCS ~6つのポイント
1 「どうすれば住民に喜んでもらえるか?」が出発点
2 「できる範囲」で「一人ひとり」が職場の代表として行動すべき
3 CSは仕事のやりがいにつながるべき
4 住民に期待以上のものを実感していただいたか
5 現場で、ありのままを、現実的に見る
6 「不便」「不良」「不快」「不満」の解消
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■相手のことを配慮した話し方
住民とのコミュニケーションのなかで、相手に不快感を与えないため
には、相手に配慮した話し方をする必要があります。
「相手に配慮した話し方」とは、例えば、来庁された方がお年寄りであれば、「ゆっくり」「はっきり」と聞き取りやすい声を意識するということです。
尊敬語・謙譲語・丁寧語などの「正しい言葉遣い」ができることも
重要ですが、うわべだけで心がこもっていなければ、住民に気持ちは
通じません。また、お役所言葉や専門用語を極力ひかえて、普通の
言葉で住民に説明を行うことも大切です。
■絶対にしてはいけないこと
これまで住民と接する際のポイントをお話ししてきましたが、今度は逆に
「絶対にしてはならないこと」を取り上げてみましょう。「絶対にしては
ならないこと」は大きく分けて二つあります。
第一に、自分ばかり話して、住民の話を聞かないこと。
相手の話にまったく耳を傾けず、「立て板に水」のごとく自分の話を
し続けることです。
誰しも「人の話を聞く」ことよりも「人に話をする」ことのほうが心地よいものです。職員側が話したがってはいけません。住民に「話していただく」
という配慮が絶対に不可欠です。これは、民間企業の営業の商談にも
通じることです。
第二に、住民の話を頭から否定することです。自分の話を否定されて、
快く思う人はいません。どうしても住民の話を訂正しなければならない
場合でも、「じっくり相手の話を聞き」、信頼を得た上で行うように
しましょう。
☆次回は、『トラブルを最小限に抑える「クレーム対応方法」』(前編)を
お届けいたします。どうぞご期待ください。
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