【~住民と良好な関係を保つ「窓口接客」と「クレーム応対」(全4回)】
~住民と良好な関係を保つ「窓口接客」と「クレーム応対」(全4回)
先週までは住民と良好な関係を保つための「窓口接客」について
お話しました。さて、今週より、トラブルを最小限に抑える「クレーム
対応方法」についてお話いたします。
■クレーム対応「3つの基本手順」
さて、これまでお話したように「窓口接客」を行っても、クレームを
100パーセント起こさないようにすることは困難です。そのため、
住民との間にトラブルが発生してしまった場合の対応についても、
心得ておく必要があります。
クレームには、正当な理由によるものから、規則上無理な要求、
嫌がらせや金銭要求を含んだ悪意に満ちたものまで、様々な
種類があり、対応の仕方がわからず困ることもあると思います。
しかし、どのようなクレームにも効果的に当てはまる応対方法が
あります。それがクレーム応対の「3つの基本手順」です。
クレーム対応は、心情理解・お詫び→原因・事実確認→代替案・
解決策の提示の順で行います。どのようなクレームであっても、
この手順に従って対応すれば、ほとんどの場合、スムーズに
解決できます。
■心情理解とお詫び
クレーム対応の第一声は「お詫び」から始まります。住民が
困っている事実と心情を理解して、誠意のこもったお詫びの
言葉を伝えること。
お詫びをするといっても、全面的に行政や自分の非を認めて
「謝罪せよ」と言っているわけではありません。「困っている」人が
いたら共感するのはごく普通のことです。ましてや行政サービスの
利用者である住民であれば、なおさらです。
ただ実際には、言い訳が先行したり、黙りこくってしまったり、
住民を無視したり、ふてくされているように見えたりする方が非常に
多いのが現実です(実は必死に耐えているのかも知れませんが)。
自分が何か不快な思いをしたときのことを思い出してください。
「ご不快な思いをさせ、誠に申し訳ございませんでした」と深々と
頭を下げられれば、悪い気はしなかったと思います。クレームは
処理するものではありません。クレームに「対応」し、「住民の心情を
理解する」ことが、解決を早める最適な手段です。
■相手の話を最低3分間は聞く
住民の言葉をさえぎって言い訳をしないことが肝要です。
クレームを大きくしてしまう元凶は、応対者の「言い訳」「間違いの
指摘」「反論」です。
住民の話が聞けない理由は、お詫びができない心理に近いもの
だと思います。クレームが自分への攻撃のように感じられ、心が
防戦してしまうのでしょう。「これ以上クレームを聞きたくない」
「なんとかクレームを聞かずにおさめてしまおう」という心の声に
支配され、それが行動にあらわれているのです。
当たり前のことですが、クレームを寄せてくる住民は怒っ
ています。その住民に対して、相手の話を聞かない段階で、自分の
立場を主張したり、相手の間違いを指摘するのは得策では
ありません。しかし、実はこの点があまり理解されていません。
一度ならず二度、三度クレームにあう方は、無意識のうちに住民の
意見・意向の間違いを指摘したり、即座に反論をしてしまって、
相手の気持ちを逆なでしていることが多いものです。住民の話を
聞かない対応こそが、クレームを大きくする元凶になっているのです。
住民の話は、最低3分間じっくりと聞きましょう。話を聞くことで信頼
関係をつくるのです。その際、「態度」「表情」「声」を総動員させて
対応に当たることです。住民の困っている状況に対して、「共感」を
全身で伝えるのです。これは「聞く」ではなく「聴く」です。事務的に
聞くのではなく、心で聴くことが求められます。聞くときのポイントは、
「ええ」「さようでございますか」などと言いながら、相づちを打つことと、
うなずきです。それを住民が見て、聞いて、しっかりわかるように
対応することが重要です。
☆次回は、「後編」をお送りします。どうぞご期待ください。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方