■発想力はトレーニングで鍛えられる
企画を立てるためには、まず「発想」という段階があります。これは特別なものではなく、方法やステップに従っていけば誰にでもできます。簡単に言えば野球の素振りのようなもので、毎日たくさんやっていれば、できるようになるという類のものです。
「発想」を出すということは、特別なものではありません。
ただ、「発想」を企画にまとめるためには、やはりテクニックが必要になります。ドリル式の穴埋め問題のようなもので、ねらいや実施内容を書いていきます。とにかく紙を埋めていくことで全体の構成をつくっていきますので、これもテクニカルに解決することができます。ほとんどの方は、これまで企画書を書いたことがないから書けないというだけで、書き方を覚えれば、それほど難しいものでもないと思います。実は企画書をつくるところまでは、それほど難しくありません。難しいのは、企画書をつくったあとの「ものづくり」です。
また、そこでできたものを「売っていく」、「世の中に広めていくこと」は、「ものづくり」よりさらに難しいことです。
弊社の研修において本当に聞いてもらいたいと思っているのは、どうやって企画を具現化・実現化していくかというプロセスです。
では、どうやって発想を出していくかについて説明します。まずはいろいろなものを見て考えること。素振りの練習のようなものです。たとえば道を歩いていて、はやっていない店がありますね。それをどうやってはやらせるか、その場で考えてみることです。普通はそんなことは考えないと思いますが、企画を立てる練習においては、そういうつまらないことを一生懸命やってみることが重要なのです。 たとえば玄関にメニューを出す、今日のランチを書いてみる、おすすめを外に出す、玄関を掃除してみるなど、どうしたらいいかを考える。それが発想の出し方です。発想を出すのは訓練ですから、たとえば1日に何個ということを決めて考えることが大事です。街の店屋のアイデアを出すのと同じように、自分の仕事に関して、どんなアイデアなり、企画があるか考えて下さい。ただ、考える方向が定まっていないと、いきなり儲かる特許を10個考えろといっても無理な話しです。
ですからこの発想の出し方は、あくまで自分のビジネスの中で、どういうふうにしたらより面白い仕事ができるか、いまの仕事を面白く変えられるかということにフォーカスを絞っています。いろいろな方法で考え、発想を出す練習をします。そしてその次にアイデアを具現化していきます。そのための方法は、「ずっと考え続ける」ことです。
たとえば会社の売り上げを改善したいと思うと、それについて集中的に、5分くらい考えるのです。どうやったら売り上げが改善するかなと考えると、頭の隅に「売り上げを改善しなければ」ということが残るのです。
トイレのときや、手を洗うときなど、それを時々取り出しては考える。そうすると2、3日経つと、頭の中にイメージがポコンと返ってくるのです。それはどうしてそうなるかというと、考え続けるからです。急に解答に思い当たることってありますね。それを意図的にやるのです。
ウンウンうなって何時間も考えるというのは、特に仕事ではありえないことですから、5分くらい考えて放っておく。つまり「早く考え始めること」がポイントになります。発想を具体化させるためには、早く考え始めて、早く終わるということが大切です。
※次回は「調査の方法」についてお話しいたします。
企画のために調査をしたいが、時間とコストが・・・という方、まずは周りの人の意見を聞いてみましょう。とても簡単ですが、これも立派な調査です。