2018年10月29日
東京商工リサーチの調査によると、2018年度上半期(4~9月)の企業倒産は過去30年間ではバブル景気時の1990年度上半期、1989年度上半期に次いで3番目に少ない件数にとどまることが分かった。
今年上半期(4~9月)の負債額1000万円以上の企業倒産件数は4124件で、前年同期に比べ2.2%減少した。
上半期としては2年ぶりに前年同期を下回り、過去30年間ではバブル景気時の1990年度上半期(3070件)、1989年度上半期(3652件)に次いで3番目に少ない件数となった。
負債総額は8375億6900万円で、前年同期に比べ60.4%減となり年度上半期では過去30年で4番目に少ない金額だった。
これは前年同期の製造業で戦後最大倒産となったタカタ(負債1兆5024億円)の反動減と負債10億円以上の大型倒産が98件で、2016年度(94件)以来2年ぶりの100件割れになったことが影響した。
産業別に見ると、倒産件数は10産業のうち7産業で前年同期を下回った。
こうしたなか、飲食業などを含むサービス業他が1232件(前年同期比0.5%増)で、年度上半期としては3年連続で前年同期を上回った。内訳をみると、食堂,レストラン(90→101件)、居酒屋などの酒場,ビヤホール(62→68件)、広告業(36→45件)、ゴルフ場などのスポーツ施設提供業(9→17件)などで増加が目立った。
また、小売業が571件(前年同期比4.3%増)で年度上半期では6年ぶりに増加に転じた。ソフトウエア業などの情報通信業も前年同期比2.2%増となる179件となり、2年連続で前年同期を上回った。
一方、建設業は733件(同7.7%減)で、年度上半期では10年連続で前年同期を下回った。製造業は511件(同5.5%減)で9年連続の減少、卸売業621件(同0.3%減)で6年連続の減少、不動産業は115件(同16.0%減)で4年連続で減少した。
倒産件数を地域別に見ると、全国9地区のうち6地区で前年同期を上回った。
内訳は、中部569件(前年同期比1.0%増)が6年ぶりに前年同期を上回った。四国79件(同9.7%増)は4年ぶり、九州331件(同26.3%増)が3年ぶりに増加した。また、東北197件(同20.1%増)と北陸96件(同10.3%増)および中国161件(同10.2%増)は2年ぶりの増加となった。
一方、北海道は115件(前年同期比13.5%減)で6年連続で前年同期を下回った。また、関東1555件(同6.8%減)と近畿1021件(同9.1%減)が2年ぶりに減少に転じた。
東北197件(同20.1%増)、北陸96件(同10.3%増)、中国161件(同10.2%増)はそれぞれ2年ぶりの増加になった。
上半期の負債額上位の倒産は次の通り(金額は負債額)
1.ケフィア事業振興会(東京、食品通信販売)1001億9400万円
2.日本海洋掘削(東京、海洋掘削事業)904億7300万円
3.Japan Drilling(Netherlands)B.V.(東京、海洋掘削リグ賃貸ほか)321億500万円
4.ビバック(東京、建設機械販売)185億9000万円
5.CGC管理(愛知、ゴルフ場経営)145億8200万円
配信元:日本人材ニュース
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