研修の特徴・目的
「うちの職員にももっと経営マインドを持って仕事にあたって欲しいのだが・・・」
経営幹部の方の自組織の人材評価として、こうした話を耳にすることがよくあります。特に、大企業やその100%子会社、あるいは自治体や特殊法人といった公的セクターにおいて、このような声が上がることが多いように思います。
「私は管理者ではあるが、経営者ではない」
一方で、このように評される側の人、特に管理・監督者層の方の正直な気持ちはこうではないでしょうか。「私は任された範囲においては責任を持って管理している。それが自分の役割であり、経営はもっと上の、別の人がやることではないか」
かつてのように、市場の拡大に合わせて組織を拡大する、あるいは税収が増えていく中で組織を維持するということであれば、一定の守備範囲に一人の責任者を置いて維持管理に専念させることも可能でした。しかし、市場が頭打ちになり、海外との競争も激しくなる中で、単なる管理者に相応の人件費を払いながら組織を運営していくことが難しくなってきています。そこで、「守り」だけでなく「攻め」も考えられる、"経営マインド"を持った管理職が求められるようになっているのです。
「でも、上が言うほどそんなに状況は厳しいのだろうか。今のままでも何とか持つんじゃないの?」
本音を言えば、こう考えている人も結構いるのではないでしょうか。結局、考え方を変え、行動を変えていくためには、現状の厳しさをリアリティを持って認識できるかどうかにかかっているのでしょう。
「明日から独立採算で運営してください」と言われたら可能か?」
特定機能を受け持つ大企業の100%子会社であったり、公的セクターの団体の人から見れば、「そんなのは現実的でない」と一蹴されるかもしれません。しかし、仕組み上、提供するモノやサービスに直接対価が支払われる形になっていないだけで、その組織が提供するモノやサービスの価値が、その組織を維持するコストに見合っていることが、存続の前提となります。
財務部門の専門職でなくても基本的な会計知識は必要
ある程度責任のあるポジションに就く人であれば、基本的な会計の知識は不可欠です。それは、自分が所属している組織がどのような形で収入を得ており、その対価としてどんな価値を提供しているのかを大づかみに捉え、決して現状を維持することは安泰ではないことを痛切に感じとってもらう必要があるからです。
健全な危機感から導かれる経営戦略の自分化
経営戦略を考えるのは、もちろん経営陣です。しかし、経営陣が何を見て自組織の将来を考え、戦略を立てているのかを知ることは、管理職にとって重要なことです。経営陣と同じ視点で危機感を持ち、経営戦略の意義を理解すること。いわば、「経営戦略を自分化すること」が、管理職が経営視点を持つことの目的と言うことができるでしょう。
経営視点を身につけることで、マネジメントの軸が定まる
経営陣と目線が合えば、経営陣の考え方に則した施策を自部門において展開できるようになります。また、自分自身が肚落ちして納得した戦略だからこそ、それを部下に伝え実践させる場面でも説得力が増します。このような動きができる管理職こそが、まさに「部門経営者」と言うことができるのでしょう。
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