「何か具体的に研修効果が分かる方法ってないのでしょうか」
私が担当したお客さまからの声でした。やはり、受講者の直接の声を聞くのが一番かと思い、その方法について検討しました。しかも今回は「忙しい研修担当者さまの負担をできる限り増やさないように」と心がけました。
そこで、WEBを使って、受講者に直接ご回答いただく方法を思いついたのです。これが「研修呼び覚まシステム」の原型です。
■できる限り生の声を集められる設問
まずは設問です。できる限り生の声を集める、ということをテーマとして、受講者からの記述欄を多くしました。
「研修で学んだことと、業務に活かされていること」
「うまく活かしきれていないこと」
「覚えているキーワード」
などを設問として聞いてみました。すると、どうも研修や講師によって特徴がありそうだということが見えてきたのです。
たとえば、「交渉力研修」では「相互理解」というキーワードが過半数の方の意識に残っており、同時に実際の現場で意識されていることが見えてきました。
研修の場でメインメッセージとしてお伝えしてきた内容や、受講者の理解度が見えてきた一例です。
■「文章力向上研修」で受講者が興味を持ったのは
「ロジカルシンキング」
今回の調査を分析し、担当者の方に報告しましたところ、「これは皆の活かし方がよくわかるね!」と思った以上に喜んでいただけました。そしてさらに、次年度の研修見直しに活用されたのです。
たとえば、「文章力向上研修」において講師が取り上げた要素の中で、「ロジカルシンキング」が思いのほか好評だったことがわかりました。そこで、次年度からはロジカルシンキングの要素を、最初から含めて実施することにしました。
受講者の生の声が研修の中身に反映され、さらにより良い研修ができあがったと感動を覚えました。実際に、次年度にあたる今年度、「文章力向上研修」を実施し、好評のうちに終えることができました。
■現場での活用をお手伝いするシステム
研修は1度実施したからといって、大きく効果のあらわれるものではありません。一方で、何度も実施すれば良いというものでもないでしょう。実施したわずか1回の研修でも、繰り返し思い出し、実際に現場で活用することで、より意味のあるものに変わっていくはずです。受講者の皆さんにとって、研修を意味のあるものにするお手伝いをするのが、この「研修呼び覚まシステム」です。
さらには、研修の効果を図ったり、見直しをする材料にしたりすることができ、担当者の方にも喜んでいただけるものです。さらに効果的な活用ができるよう、今年度も「研修呼び覚まシステム」を、これからまた実施していきます。結果が楽しみです。