■「聴く」と「訊く」
クレーム対応の基本は「聴く」です。住民のお気持ちを理解し、お気持ちを静めていただくには、聴いて受け止めることが大切だからです。
聴いていると、問題・ご要望の確認のための情報収集にもつながります。さらに「何が問題なのか」「住民は何を伝えたいのか」を意識して、住民をナビゲートしつつ、質問していきます。これが「訊く」ということです。
■質問は、短く、簡潔にかつ確実に
まず、住民に「質問してよいか」聞きます。そして、「どうされましたか」と質問を投げかけてみましょう。その際、業務知識を総動員して、「プロ」に話しているという安心感を感じていただきながら情報収集をすることが大切です。その上で、事実関係を明確に把握していきましょう。
・いつ、どこでトラブルが発生したか
・どんなことが起こっていて、住民は何にご不満をお持ちなのか
・どなたがご不満をお持ちなのか
・問題点は何か?
・当方に対してどうしてほしいとお考えなのか
クレーム対応には業務知識、一般常識も不可欠です。正確な業務知識がなければ、的確な事実確認ができません。
■うまく訊くためのキーフレーズ(1)「おそれ入りますが」
事務的、尋問調では更にクレームを招いてしまうかもしれません。訊くことに対して、相手への配慮を示すために一言添えましょう。この一言添えるだけで、印象は大きく変わります。
■うまく訊くためのキーフレーズ(2)「ここまでの確認ですが、よろしいでしょうか」
住民からのお話を勘違いしてしまうこともありえます。お話をきいたあと、この一言を挟み、要約や復唱をし、内容に間違いがないかを確認します。この一言は、正確に話を把握できるだけでなく、きき手としての責任も相手に伝えることが出来ます。
■「訊く」ためのクッション言葉あれこれ
・依頼
「おそれ入りますが」「恐縮ですが」
「ご多用中、誠に恐縮ですが」「ご迷惑とは存じますが」
・拒絶
「誠に申し訳ありませんが」「お役に立てず心苦しいのですが」
「申し上げにくいことではございますが」
・抗議
「誠に遺憾に存じております」「ご再考のほど、お願い申し上げます」
・あらゆるとき
「かしこまりました」「ご多用中とは存じますが」
「突然失礼とは存じますが」「なにとぞよろしくお願い申し上げます」
■大事なことを言う前後に「間をとる」
クッション言葉、要約、復唱を使いこなすことができたら、さらに高度なテクニックを使いましょう。大事なことを言う前後に「間をとる」ことを心がけます。これにより、聞き手の注意を引きつけることができます。
また、質問を投げかけた後にも住民に考えていただく「間」を作りましょう。一つの区切りができて、冷静に内容を振り返っていただくことが可能になります。
☆次週もお楽しみに!