シルバー就業日記「私は銀子」vol.4
「生涯現役で働き続けたい!」そう願うシニア層が入社した会社は、なんとIT企業でした。。。
当社のシニア世代の社員とそのOJT担当者、それぞれの日記を連載でご紹介します。
目次
- 1.組織で仕事をするということ
- 2.銀子への教訓
1.組織で仕事をするということ
私は銀子(仮名)。悩める高齢就業者です。インソースの平均年齢引き上げに貢献しています。若いころ後輩に注意していたことを、今は年下の先輩に指摘されています。当面の課題は職務の精度を上げ、PC操作をきちんと習熟することですが、なかなか思う通りに進みません。根性は体力に勝てないし、意欲は能力を超えられないことを痛感しています。すぐ忘れる、覚えにくい、集中力が切れるなど、高齢者の万国共通の悩みです。
先日、高齢就業者の知人たちと会いました。前職に関連した仕事に就いている人も、まったく新しい職種に就いている人もいますが、みんな意欲をもって就業した人たちです。第三者の目で見れば、高齢当事者はもちろん周囲の社員の気苦労も感じられる話ばかりでした。
前職の栄光を捨てきれず年下の上司につい高圧的に反発して孤立してしまった人がいました。彼は「このままでは、いかん」と嘆いていました。友人から「過去は過去、部下がいない今は待っていないで自分から教えてもらう努力をしないと仕事はできない」と言われ、反省していました。
新しい職務の習熟が遅くて迷惑をかけているのではないか、と思うと委縮してしまうという話もありました。私にも共感できます。他人ごとではありません。
私は「まず自分で考えてやってみる、分からなければ能力が低いと思われても教えてもらう、知ったかぶりはしない、ここでは1年生なのだから」とこたえました。
誰もが本当の自分はこんな筈じゃないといっているように聞こえます。しかし、本人の仕事に不備があり、周囲とギャップがあるのは事実です。目を背けてはいけません。こんなことで、せっかく手に入れた仕事を憂鬱なものにしてしまうのはもったいないと思います。少々できは悪くても、努力する明るい高齢者でありたいものです。
天気が悪いときは体を休めて頑張り時には頑張る、死ぬまで自分にできることを続けていく。可も不可も、出来も不出来も自分の責任、お百姓さんのような暮らしが理想です。
しかし、組織の中で仕事をしようとすれば、時間の制約や周囲の人との協調が必要になります。高齢者が組織の歩調を乱さないために、日々何に気を付ければいいのでしょうか。
・分かっているという見栄、間違っていないという意地を捨てること
・自分の力が衰えていることを隠さず認めて、そのうえで最善を尽くすこと
・自分で考えてわからないことは、何回でも聞いて理解すること
私は仕事の不備が多く、望まれているような戦力になれていないことが心苦しい毎日です。
しかし、くよくよと仕事周辺のことで悩んでいても上司は待ってくれません。毎日、具体的に明解に、根気よく仕事の不備を指摘してくれます。この年齢で新しいことを体験できる、知らなかったことを知ることができる、分からないことは教えてもらえる、ダメなことはダメと言ってもらえる.........ことに感謝です。
好きな仕事に就けた喜びを無駄にしてはいけません。
仕事の精度を上げて、PCに慣れます。スピードアップを目指します。
落ち込んでいる暇がないことはいいことですが、それには上司に恵まれるという幸運も必要かもしれません。上司に恵まれた事にも感謝です。
頑張れ銀子!
2.銀子へ教訓
〇見栄も意地も捨てる →知ったかぶりの知識では仕事が進まない
〇衰えを隠さず最善を尽くす →無理して頑張っても脳は若返らない
〇まずは自分で試す、わからなければ何度でも教えてもらう