新入社員研修 成功のヒケツ36話

 

新入社員研修 成功のヒケツ36話

「コーチングのスキル」

「コーチングのスキル」

◆インソース講師 古木
◇インソース 小林

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               ◇今回のビジネスパーソン◇
       
               古木 孝典(Takanori Furuki)

     大手保険会社で経営企画、営業推進、システム開発の
         仕事に携わる。また、アメリカでの研修を通じて「コーチン
         グ」に目覚め、キャリアコンサルタント、産業カウンセラー
         などの仕事を通じて、コーチングの技術を活用して社会
         貢献を行っている。

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◇コーチングとはどのようなスキルなのでしょうか?

◆日常のコミュニケーションのほか、社内における上司と部下、学校における教師と生徒、病院における医師や看護師と患者さん、カウンセラーとクライアントなど、いろいろな場面に応用できるスキルだと思います。

◇コーチングは、意思伝達の仕方などのコミュニケーションで活きるスキルなのですね。コーチングについてもう少し詳しい中身を教えてもらえますか?

《聴く・承認する・質問する》

◆コーチングする場合の基本は、「聴くこと」「承認すること」「質問すること」にあると思っています。

(1)まず相手の話をじっくりと傾聴し、その方自身にも内容を理解・整理していただきます。

(2)次に、こちらの考えを押しつけることなく相手を承認します。

(3)最後に、お話の中の「胆」の部分を逃さず質問し、気づきや行動を促します。

◇コーチングはさまざまなことに応用できるスキルですね。クレーム対応でも「心情理解」が大切ですが、コーチングでも、しっかりと相手のことを理解するのが第一歩なんですね。古木さんは、「産業カウンセラー」「キャリアコンサルタント」の資格もお持ちですが、これらについても教えていただけませんか。

◆「産業カウンセラー」の仕事は、働く方々を対象にいろいろなご相談に応じることですが、最近は「うつ」など心の問題に関することが増えています。ここでも、やはり大切なことは、相手のお話をじっくりとお聴きし、共感的に理解することです。

◇メンタルヘルスのスキルと似ていますね。「キャリアコンサルタント」についてはどうですか?

◆現在は、研修講師の他に、ハローワークでの研修やカウンセリング、自治体職業相談、大学キャリアセンターでのキャリアカウンセリングなどを担当しております。いろいろな方々のお話を伺いますと、みなさん「働くこと」に関して悩んでおられることがわかります。

◇求職者の方にカウンセリングを行う場合は具体的にどのように話を進めていくのですか?

《働く喜びを実感》

◆相談者は大きくふたつのタイプに分かれます。ひとつは、求人情報の集め方、応募書類の書き方、面接の受け方など技術面を教えて欲しいというタイプです。もうひとつは、自分の適性がわからないというタイプです。前者の方々には具体的な技術を教えればよいのですが、後者はそうはいきません。じっくりと向き合い、コーチングスキルも駆使しながら、いろいろな話し合いをして、もともと自身が持つ「答え」に気づいていだきます。

◆これは求職者に限らず、在職者にも同じ問題を抱えた方が多くおられると思います。その方々には、ぜひ自分がやりたいこと(キャリアアンカー)を見つけ、それを今の仕事の中でいかに実現していくかということについて真剣に考えて欲しいですね。そして、現在の仕事を通して「働く喜び」を実感していただきたいのです。そうすれば、成長するご本人と、それにより業績を伸ばす組織がともにハッピーになれると思います。

◇話は変わりますが、管理職に必要なスキルについて古木さんはどういう考えをお持ちですか?

《プレイングマネージャー》

◆中間管理職については、プレイングマネージャーであることが大切だと思います。プレイすることにより部下といろいろ具体的な話し合いもできますし、担当者では気づかない問題点を発見して改善することもできます。また、プレイしているがゆえに、業務のイレギュラー処理や、自部門を代表して他部門と折衝することなどもスピーディにできます。

◇管理職は、常に仕事の全体をみていることが大切なんですね。そうすると、人柄の面では、どういう方が管理職に向いているのでしょう?

《その人らしさ》

◆これは一概に言えないと思いますが、その人らしい"管理職"になっていただくことが一番よいのではないでしょうか。プレゼンテーション研修にもありますが、引っ張るタイプであれば部下をぐいぐい引っ張る管理職になればよく、自分がまじめで几帳面なタイプなら部下の声にしっかり耳を傾ける管理職になればよいと思います。つまり、その人らしい管理職を目指して、それを極めていくのがよいのではないでしょうか。

◆ただし、どのようなタイプであれ、実際に仕事をするのは部下だという意識を持って、部下中心に考えることは必要不可欠なことだと思います。


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