【【交渉力研修(2)】】
【交渉力研修(2)】
(1)では、説得の前提として「交渉」で大切な3つの要素「一般常識」、
「業務知識」、「人柄」について再認識していただきました。
さて、交渉をうまく進めるためには交渉のポイントを整理し、どの部分に
ついて相手を説得していくかを見極める事が大切です。今回は「交渉」を
成功させるための3つの方法についてお話します。
■【方法1】相手の利益を掲げる
交渉のゴールは自分(自分の組織)に利益をもたらすことですが、
相手にとってもメリットがなければ相手は動いてくれません。そこで、
「このことによりあなたにはこういった利得がありますよ」と相手に話す
方法です。
例えば「住民にどうしても払ってもらいたい税金があった時、『みんな
払っているのであなたも払ってください』では説得力がありません。
しかし「この税金を正しく納めて頂くと、△年後にはこういったサービスが
受けられますよ」と相手が得する情報を伝えることで相手の心を
動かすことができたりします。
さらに「△年後このサービスを自費で購入する場合と比較しても、
今、税金を納めていただいたほうがこれだけオトクです」とアピール
できれば、「よし、きちんと納めるか」と感じて頂けるのでは
ないでしょうか。
■【方法2】守るべき規範を示して、「やらざるを得なく」する
どんなに自分がやりたくないことでも、それが世間一般の規範を満たす
ものであり、それをやらないことで社会的な信頼を失ってしまうという
ことが分かれば、相手は、渋々でも「やらざるを得なく」なります。
「ごみの分別にご協力頂きありがとうございます。こちらの役所の
制服はペットボトルを再利用してできているんですよ。環境保護の
意識が皆様の中に当然の事柄として根づいているんでしょうね。
ごみの分別も、もはや社会的通念上、常識ということですね」などと
いわれたら、普段ごみの分別をおろそかにしている人は「ぎくり」と
するのではないでしょうか。
■【方法3】相手の感情に訴えかけて交渉を成功させる
「交渉」には100%確実であったり、正確であることは必ずしも求め
られません。むしろ理論的にあやふやで、はっきり「こうだ」といえない
状況に置かれることも多いですし、最終目標はあくまで「相手の同意
を得る事」ですから、その目標が達成できればよいわけです。
そういった場合には、相手の感情を利用して、交渉のゴールに持ち込む
ことも可能です。例えば、「今、その仕事を引き受けてしまうと、今夜私は
帰宅できなくなります」というと、相手は「かわいそうだな」と思って、
余計な仕事は回さないようにしてくれるかもしれません。
他にも「この案件を成功させるためにはこの予算がどうしても必要
です、失敗したら責任を問われるのは、この書面に明記されている
○○係長です。係長に気苦労をかけるのは私としても心外です」などと
アプローチをする。
この方法は、前者2つに比べると少し説得力が弱いことがあります。
この3つの方法を織り交ぜて相手の同意を得ていくのが良い交渉と
いえるでしょう。
※「交渉力研修」
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