本日は、ある官公庁さまで実施された階層別研修より、課長補佐・次長向けの「リーダーの判断力研修」について、ご報告いたします。
■実施の背景
組織を取り巻く環境は、急速に変化をしています。予測不可能な事態が発生したり、事前に予測できていたとしてもスピードが速く、対応が追いつかないことが多々発生しています。そのような状況下で判断スピードを速くすることも、必然的に求められます。
今回は課長補佐・次長という、いわゆる上と下の「パイプ役」を担う方々に、判断における視点と視座を持っていただき、即断即決できる状態にするためのスキルを向上させることが目的とされました。
■即断即決の流儀
では、即断即決するために必要なこととは何でしょうか。
1.判断の「先延ばし」は大きなリスクを孕んでいることを認識すること
意外と判断を先延ばしすることによるリスクを甘く見ている傾向にあります。「検討します」や「後日、回答します」など、その場しのぎのコメントは、どの組織にも散見されるのではないでしょうか。しかし、前述した通り、環境変化のスピードは非常に速く、先延ばしすることによって、解決策や対応策の選択肢が少なくなってしまいます。まずは、そのような、「即断即決しない」ことによるリスクを、事例をもとに認識していただくことが第一歩となります。
2.「判断の軸」を明確にする
即断即決するにあたって、重要な要素があります。それは「判断の軸」です。なぜなら、判断して何かを実行に移す際に、動くのは自分一人だけではありません。部下やメンバーであったり、場合によっては上司に動いていただくこともあります。その際に、なぜその判断に至ったのかという裏づけ(つまり判断の軸)がなければ、納得して動いていただけません。
研修では、いくつかの判断軸を提示し、それを参考にケーススタディを通しながら、自身の判断の軸を明確にしていただきます。
■研修生の声
「なにげなく見過ごしている事象であっても、判断の観点に照らし合わせると明確に物事が見える」
「判断にあたっての新たな指標ができた」
「業務に直結する内容であり、職場に戻った際に活用したい」
など、中身が濃い研修であったことを物語っております。研修中のグループワークで頭を抱えながらも、個々人の判断と判断がぶつかり合う場面は、非常に印象に残っています。