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新人が直面する理想と現実のギャップ
「入社半年の壁」にどう立ち向かうか
この春に入社した新人たちも、そろそろ社会人歴半年を迎えます。この時期になると、先輩たちに助けてもらう機会が減り始め、ひとりで難題に立ち向かう場面も徐々に増えてきます。「自分はもっとできるはず」と思っていたのに、実は何も分かっていなかったと、力不足を思い知らされることも多いことでしょう。
誰もが通過する入社半年後の"現実という壁"にどう立ち向かうか。ここをクリアできないと、最悪の場合、離職という選択にも至りかねません。そこで大切なのは、適切なタイミングでの"関与"です。
今どきの新人たちはナイーブ?
最近の新人たちは、先輩や上司に気を使い過ぎるきらいがあります。「忙しそうなので話しかけづらい」「こんな質問したら呆れられる」と気を揉み、小さな指摘で自分の評価が大きく下がったと捉え落ち込んでしまうこともあります。彼ら彼女らのモチベーションが下がりきらないうちに、タイムリーに関与することが大事なのです。
ただ、それが普段仕事の指示を受けている先輩や上司からだと、どうしても相手を身構えさせてしまうもの。 そこで、最近多くの組織で導入が試みられているのが「メンター制度」です。
メンターには、普段、直属の先輩とは別の人が就くことが一般的であり、新人たちにとっては本音で相談を持ちかけやすいメリットがあります。新人たちにとっては、今の自分の状況を誰かに知ってもらえる、というだけでもありがたいことに違いありません。
新人の育成支援は組織ぐるみで
この時期に新人を集めて、「新人フォローアップ研修」を実施するところも少なくありません。この半年の自己の成長を振り返るとともに、仕事に役立つスキルの習得や、今後の目標設定を行うようなプログラムが一般的です。
人手不足の時代、せっかく採った新人たちが、理想と現実のギャップに悩むのを放置することは、人材喪失のリスクをはらみます。新人のケアを現場に任せきりにせず、定期面談の制度化や、研修企画を通じて育成部門も積極的に関わり、"組織ぐるみ"で育てることが、これまで以上に求められていると言えます。
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