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離職が増える"魔の2、3年目"をクリアするために
人材確保の鍵は「若手を辞めさせないこと」
売り手市場が続いている新人採用市場。やっとの思いで迎え入れた新人に、早々に辞められてしまうのは大きなダメージです。実際、新卒で入った職場を3年以内に去る人の比率は、大卒で3割、高卒で4割といわれます。新人・若手を定着させられるかどうかは、今や組織の死活問題といっても過言ではないでしょう。
3年以内に職場を去る人の内訳をみてみると、その大半は、2年目もしくは3年目に辞めています。つまり、1年以内に辞めてしまうような"未熟な新人"よりも、仕事も理解し、職場に組み込まれた後に退職するケースの方が多いということになります。これからようやく戦力として頑張ってもらおうというタイミングでの離職は、現場にとっても大きな痛手のはずです。
「手がかからない」に甘んじることのリスク
~2年目以降も定期的に"刺激"を
新人の頃は、どんな仕事にも新鮮な気持ちと緊張感を持って取り組んでいるものですが、2年目ともなると、失敗も減り、次第に要領よくこなせるようになっていきます。すると、先輩としては若手をほめたり叱ったりする必要がなくなり、自分の仕事に専念できるようになるため、次第に若手に関与する時間が減ってきます。
ところが、これが若手にとっては、自分の成長実感が奪われることとなり、やる気の喪失につながってしまうのです。退職者が増える"魔の2、3年目"をクリアするためには、2年目、3年目の特性を意識した指導・教育体制が不可欠です。とはいえ、新人時期のような手取り足取りの指導ではなく、意図的に失敗を体験させたり、成長を促す機会を作ったりすることがポイントとなります。
2年目以降はモチベーションに注目
業務としてはつつがなくこなしているようでも、かつて感じていたようなやりがいや緊張感は徐々に失われていきます。アウトプットだけに注目するのではなく、「モチベーション」の状態にも気をまわし、タイミングを見計らって新たなチャレンジとなる仕事を与え、真摯に仕事にあたる意識を蘇らせる。ここが、2年目以降の部下指導の重要なポイントといえるでしょう。職場を去る理由は人それぞれです。ただ、理由がよくわからないような辞め方だけはされないよう、適切な距離感での"関心と関与"を意識していきたいものです。
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