タレントアクイジション

「タレントアクイジション」とは、優秀な「タレント人材」を獲得（英:Acquisition）するための活動や、その役割のことをいいます。従来のリクルーティングとは違い、タレントアクイジションでは自社のブランディングやタレントプールの活用、入社後の定着支援など、タレント人材の獲得に向けてあらゆる手段を講じた活動を行います。

従来のリクルーティング活動は、欠員が出たポジションの補充が主な目的でした。そのため、入社後も研修などを通じて育成することを前提として、要件を満たす候補者の中から人員の構成バランスなどを加味して採用を行っていました。
しかし近年では、急速なデジタル化など変化の激しい環境においてもすぐに成果を出せる、高度なスキルを持つ人材の獲得が重大な経営課題のひとつとなっています。また、国内の働き手不足を背景に、企業間の人材獲得競争も激しさを増しています。

そこで、欠員補充という「守り」の発想から、企業の市場優位性を高めるための「攻め」の発想で採用活動を行うタレントアクイジションが注目されています。

タレントアクイジションの手法として、まずは求めるタレント人材の要件を組織の経営戦略に基づいて定義します。そのうえで採用活動を行いますが、知名度の低いスタートアップ企業などでは特に、候補者からのアプローチをただ待っていてもなかなか思うような人材獲得につながりません。戦略的なブランディングで自社の魅力を最大限にアピールしつつ、スキルを持つ人材と中長期的に交流できるタレントプールを導入し、その中から自社にマッチしそうな人材にSNSでメッセージを送るなど、候補者を「発掘」していくことが重要です。

また、無事に獲得できた人材を早期離職させないために、新しい職場にいち早く馴染んで力を発揮できるようになるオンボーディング施策の充実も求められます。

タレントアクイジションは、従来のリクルーティングと比べ時間やコストがかかるデメリットはありますが、タレント人材の獲得はリソースを投資しても十分な見返りが期待できます。予算を握る経営陣からの理解を得るために、まずは人事担当者が新しい採用活動であるタレントアクイジションの手法やメリットについてよく学んでおくことが肝要です。

タレントアクイジション

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