2023年5月26日
2023年度の初任給を前年度から「全学歴引き上げ」た企業は70.7%と、22年度速報集計時の41.8%から28.9ポイント上昇したことが、労務行政研究所の集計した「2023年度 新入社員の初任給調査」で明らかとなった。一方、「全学歴据え置き」した企業の割合は26.1%と、同速報集計時の49.7%から23.6ポイント低下した。
産業別に見ると、製造業は83.3%の企業が引き上げたのに対し、非製造業は56.2%となり、製造業が非製造業を27.1ポイント上回っている。
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過去10年間における、初任給を「全学歴引き上げ」た企業の割合(初任給の引き上げ率)の推移を見ると、14年度は輸出産業を中心とする企業業績の回復、デフレ脱却に向けた賃上げの政労使合意などを背景に、13年度の4.2%から19.0ポイント上昇の23.2%となり、賃上げ基調が続いた15年度はさらに上昇し39.9%となった。
16年度と17年度は引き上げ率が30%前後を推移したが、18年度は再び上昇し39.7%となった。19年度、20年度は下降基調ながら30%台で推移したが、21年度はコロナ禍による業績不振の影響などを受け17.1%と大幅に低下。
しかし、22年度は一転して40%台、さらに23年度は70%を超え、2年連続で大幅な上昇となった。
初任給を「全学歴据え置き」とした企業は、20年度の58.5%から21年度には 74.3%と上昇したものの、22年度は49.7%、23年度は26.1%まで低下し、過去10年で最も低くなっている。
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全産業で見た学歴別の初任給水準は、大学卒(初任給に差を設けず、一律設定の場合。以下、一律)22万5686円、大学院卒修士24万3953円、短大卒19万5227円、高校卒(一律)18万3388円となった。
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大学卒(一律)では、「引き上げ」が71.7%、「据え置き」が28.3%となっている。引き上げた場合の上昇額は「1万円台」が18.6%で最も多く、次いで「5000円台」と「7000円台」が10.5%。引き上げた場合の平均上昇額は9523円となった。
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調査は、東証プライム上場企業を対象に3月下旬に調査票を発送、併せて電話による取材も行い、4月11日までに回答のあった157社を集計した。
配信元:日本人材ニュース
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