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アクティブラーニング

アクティブラーニングとは、学習者が主体的・能動的(Active)に学習(Learning)に参加する学習手法のことです。

アクティブラーニングは、講師が一方向的に講義し学習者が受動的に学ぶという学習法ではなく、学習者が積極的に参加し、主体的に学ぶスタイルです。アメリカの教育機関で始められた学習法ですが、現在では文部科学省の「新しい学習指導要領の考え方」にも取り入れられ、企業研修にも採用されています。

2012年に、文部科学省による学習指導要領にアクティブラーニングが組み込まれました。
その後、「アクティブラーニングの用語の定義が曖昧で、教育現場の混乱を招く」という点で、中央教育審議会での議論により「主体的・対話的で深い学び」という用語が置き換えられました。一方で、アクティブラ―ニングは、社会全般でビジネスの現場や研修を含む社会人教育において効果的、かつ、大人にとって有益な学習方式です。
そのことからも、アクティブラーニングは、言葉としても社会で広く使われています。

かつて、高度成長期には、指示通りに働く労働力が必要でした。しかし、高速化するグローバル化や、激化する市場競争、多様化複雑化するニーズなどを背景に、現代では自ら課題を発見し判断や解決に導く、能動的なビジネスパーソンが望まれています。

また、価値観の異なる人とでも、対話で意見交換や協力をしながら成果をあげられる人材の育成に有効であると注目されています。

アクティブラーニングには、一律に定められた正解はありません。参加者には、主体的に学ぶ姿勢、および、議論によって共に問題解決に向かう姿勢を指導します。

以下のメソッドにより、主体的能動的な思考が育ちます。

1. フィールドメソッド: 主に職場外
店舗・会場などの現場に出かけて行って、発見・観察・行動・解決などを学ぶ
・発見学習: 課題を発見する
・体験学習: 現場で実際に実体する

2. ケースメソッド
課題発見・判断・問題解決まで、チームで意見を出し合って学ぶ
・グループディスカッション: 参加者同士で討論して結論を出す
・ディベート: 肯定側・否定側に分かれて解決策を考える
・グループワーク: グループになって調査・討論・作業を行いアウトプットする 

アクティブラーニングで学習を深めることによって、
・主体的に課題を発見する力
・判断して問題を解決する力
・コミュニケーションによって協働する力
などの体験が得られます。自分の考えを相手にしっかり伝え、他人の意見を傾聴し、周りの人と協力する力が身につくことで共通目標に向かう結束力を高めます。また、論理的にまとめて発表することができる、リーダーシップが身につくなどの良い点があります。

アクティブラーニングは企業にとって多くのメリットをもたらしますが、課題もあります。

アクティブラーニングは学習方法のため、アクティブラーニングによって何を学ぶのか、運営側が目的や意義を明確にする必要があります。また、参加意欲が低い学習者に対し、運営側から働きかけ、目的を共有するなどの工夫があるとよいですね。

また、教育を与える側(講師・運営)には、参加者が気づいていない視点を気づかせるコーチングスキルや、意見を発散させ集約するファシリテーションスキルなどが求められます。

実りの多いアクティブラーニングとするために、教える側の能動的な参加も必要と言えるでしょう。

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