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SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)

SX(サステナビリティ・トランスフォーメーション)とは、経済産業省が提言した言葉で、不確実性の高い環境下において「企業の稼ぐ力」と「ESG(環境・社会・ガバナンス)」の両立を図り、持続的な企業価値の向上につなげるための戦略として注目されています。

SX提言の背景には、近年高まる社会のサステナビリティ(将来的な社会の姿や持続可能性)に対する要請とともに、企業の経営環境を取り巻く不確実性の高まりがあります。感染症のパンデミック、第4次産業革命の進展に伴う技術革新、気候変動問題などあらゆる変化に対応しながら、企業が中長期的に企業価値の向上を果たすためには、「企業のサステナビリティ(=稼ぐ力)」と「社会のサステナビリティ」を同期化させるような経営のあり方を探ることが求められます。

経済産業省は、SXの具体的な取り組みとして以下のポイントを挙げています。
① 「稼ぐ力」の持続化・強化
事業ポートフォリオの再構築や、イノベーションへの種植えなど、企業としての稼ぐ力(強み・競争優位性・ビジネスモデル)を中長期的な視野で強化する
② 社会のサステナビリティを経営に取り込む
社会要請などの不確実性に備え、企業の中長期的なリスクとオポチュニティ(機会)の双方を把握し経営に反映する

例えば、2050年のカーボンニュートラルに向けて流通網におけるガソリンスタンドを水素または電気ステーションへ転換する、サプライチェーン全体で不当な労働搾取が行われないようモニタリングを強化するなど、中長期的にリスクとなるビジネスを再定義することが考えられます。新たな環境変化に適応すべく、SX的視点に立って既存のビジネスをアップデートすることで、企業の持続的な成長と価値向上につながります。

グローバルスタンダードへの対応が求められる現代、企業戦略においてESGやSDGsの視点が不可欠であることは言うまでもありません。大口の機関投資家と取引をする大企業や上場企業に限らず、サプライチェーンを構成する中小企業にも同レベルの意識が求められます。また、自社の強みを活かしたSXで環境負荷の軽減など深刻な社会課題の解決につながる事業を創出できれば、スタートアップ企業が世界のトップランナーになれる可能性もあります。将来のメインターゲットである、社会問題への関心が高いZ世代から選ばれる企業となるためにも、SXは全ての企業にとっての重要な経営戦略であると言えます。

※参考
・経済産業省ホームページ
「『サステナブルな企業価値創造に向けた対話の実質化検討会』中間取りまとめを行いました」
https://www.meti.go.jp/press/2020/08/20200828011/20200828011.html
(最終アクセス:2021年12月14日)

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