更新日:
OODAループ
「OODA(ウーダ)ループ」とは、米軍の意思決定プロセスを理論化したものです。Observe(観察)、Orient(状況判断・方向づけ)、Decide(選択・意思決定)、Act(行動)の頭文字をとった目標達成のための4段階を表します。
OODAループは、見通しの立たない状況下でも目標達成に向け、スピード感をもって柔軟に意思決定を行うための理論です。もとはアメリカの軍事戦略家ジョン・ボイドが提唱した戦略手法でしたが、その後、理論が体系化され、予測不能な時代における迅速な意思決定手法として、現在ではビジネスや政治など幅広い分野で活用されています。
現代は、外部環境の変化が激しく、複雑で予測不能な「VUCA時代」と言われています。科学技術の進歩やグローバル化などを背景に、新しいビジネスが生まれる速度は日々高速化しており、企業は多様化するニーズに迅速な対応をとる必要に迫られています。
そこで注目されたのが、想定外の状況においても機動的で柔軟な判断を行い、変化に対して臨機応変に対応できるOODAループです。OODAループを高速で回すことで現場の問題解決力が向上し、軌道修正しながら目標達成へと進み、さらに新たなイノベーションも生まれやすくなります。
■OODAループのプロセス
①観察(Observe)
環境・相手・自分を観察して、リアルな情報を収集する。
②状況判断・方向づけ(Orient)
集めた情報と自分が置かれた状況を判断して、仮説を立て具体的な行動案を作り、方向づける。スピード重視のため綿密なプランである必要はない。
③選択・意思決定(Decide)
適切な行動かどうかを考え、1人で意思決定する。
④行動(Act)
行動案を実行し、効果を確認する。行動後は直ちに観察に戻り、再びループを回す。
OODAループとよく比較されるフレームワークが「PDCAサイクル」です。PDCAは、初めのPlan(計画)設定に時間がかかるため、予測不能な現代には適さないとする向きもあります。しかしPDCAは、業務改善や目標達成に向け、継続的に生産プロセスを改善するために必要なフレームワークです。業種や案件によってOODAループとPDCAサイクルを使い分けるのが得策と言えます。
社会情勢の変化に対して即応を迫られる現代、様々な選択肢があることを認識したうえで、自社に適合する考え方を選択し、VUCA時代にも生き残れる組織を目指しましょう。
Pick Up キーワード
関連キーワード
■似たテーマ・関連テーマの記事一覧
-
-
更新
進化する次世代型LMS「Leaf」~教育DXが人材育成のあり方を変える
WEB版ENERGYvol.06(2021年夏号)【巻頭特集】進化する次世代型LMS「Leaf」~教育DXが人材育成のあり方を変える|本特集では、「日本の人事部が本当に求めているシステムとは何か」や、「多様な人材に対していかに最適な教育を提供するか」といったテーマに、当社のLeaf事業責任者がお応えします。
-
-
-
更新
OODAループ
「OODAループ」を人事・労務の観点から解説します。「OODA(ウーダ)ループ」とは、米軍の意思決定プロセスを理論化したものです。Observe(観察)、Orient(状況判断・方向づけ)、Decide(選択・意思決定)、Act(行動)の頭文字をとった目標達成のための4段階を表します。
-
-
-
更新
アジリティ
「アジリティ」を人事・労務の観点から解説します。アジリティ(agility)とは、「機敏さ」「敏捷性」を意味する言葉です。複雑で予測不能なVUCA時代、環境変化に応じて組織の意思決定を的確かつスピーディに行うことは重要な経営課題のひとつであり、アジリティは「変化に素早く対応する力」を指す言葉として注目されています。
-
-
-
更新
奈良時代にもプロジェクト管理があった!
本ページでは、過去のメルマガやコラムの中から、現在でも皆さまの組織の人材育成やビジネスのお役に立つコラムを厳選し、再編集を行いました。時代が変わっても普遍的に役立つ内容となっておりますので、ご覧いただければ幸いです。
-
-
-
更新
アフターコロナに活躍する強いリーダーとは
本ページでは、コロナ禍で活躍したリーダーの特徴や能力を整理し、アフターコロナ時代に組織を力強く牽引できるリーダーを育成する方法をお伝えいたします。危機対応時に求められる3つのリーダーシップを学べる各プログラムもご紹介しております。
-
-
-
更新
コンフリクトマネジメント
「コンフリクトマネジメント」を人事・労務の観点から解説します。コンフリクトマネジメントとは、対立(=コンフリクト)する状況を「組織の成長を促す機会」と捉え、問題解決と共に戦略的に活用する組織強化の手法です。内在するコンフリクトを議論のテーブルに載せることで、膠着した組織の活性化につながると注目を集めています。
-
-
-
更新
アフターコロナ・ウィズコロナ時代の事業戦略と人事戦略
コロナ禍により経済が減退している中、組織が生き残るための人事戦略・事業戦略について語ります。具体的には、経営層や人事部門がリーダーシップを発揮し、組織変革を進めるための人事マネジメントや組織配置、人材育成方法について丁寧に解説していきます。
-
-
-
更新
「幹事の仕事」に学ぶプロジェクトマネジメントの4ステップ
~幹事力を鍛えてビジネスで成果をあげる幹事の仕事に沿って、プロジェクトマネジメントに欠かせない4つのステップ「定義」「計画・実施準備」「実施」「終結」の流れとポイントをご紹介します。プロジェクトの計画・実行に関するあらゆることを学べるのが、実は幹事という役割なのです。幹事力を鍛え、プロジェクト管理能力を身につけましょう。
-
■似たテーマ・関連テーマの商品・サービス一覧