2022年6月27日
マンパワーグループ(東京・港、池田匡弥社長)が「ダイバーシティ採用」の実態について調査したところ、ダイバーシティ採用を導入している企業は4割超に上ることが明らかとなった。
ダイバーシティ採用の導入状況を聞くと、導入している企業は全体の4割超(42.5%)となった。ダイバーシティ採用を導入している企業が積極的に採用している人材については、「女性または男性(社内構成比の少ないほうの性別)」(62.4%)が全体の6割超で最も高かった。
2位は「障がい者」(49.4%)が約半数の高い割合で続き、3位以降は「高度外国人材」(30.0%)、「シニア」(27.1%)で3割程度となった。また、「積極的に採用していない」(11.2%)という回答も全体の1割程度を占めた。
【ダイバーシティ採用として積極的に採用している人材】
女性または男性(社内構成比の少ないほうの性別) 62.4%
障がい者 49.4%
高度外国人材 30.0%
シニア 27.1%
時間制約社員 20.6%
LGBTQ 11.8%
積極的に採用はしていない 11.2%
わからない 6.5%
ダイバーシティ採用を推進する目的は、「優秀な人材を雇用するため」(64.1%)がトップで全体の6割超を占めた。さらに、「働きやすい職場づくりのため」(52.9%)、「多様化する市場に対応するため」(50.6%)が、いずれも5割超で続いた。また、「労働力を確保するため」(45.9%)、「社会的責任を果たすため」(41.8%)との回答も4割超の高い割合となった。
ダイバーシティ採用が進む要因についてマンパワーグループでは、「優秀な人材の雇用に役立てると同時に、社内においては働きやすい職場づくり、ビジネスにおいては市場の多様化に対応するために推進されている傾向があるようだ」と指摘する。
ダイバーシティ採用を導入している企業の人事担当者を対象に、うまくいったことを聞くと、「社内の活性化が図れてとてもいい状況になってきている」や「多様性に対する理解が進むようになった」、「社内で活躍する女性が増えた」などの声があがった。
マンパワーグループでは、「多様な人材を採用することによる社内活性化や、さまざまな角度から物事を見られるようになったことで社会に対する視野が広がるといった声に加え、意外なところからの優秀な人材が見つかるなど、プラスの影響を実感する声が多く見られた」とした。
一方、苦労したことについては、「ダイバーシティ採用をしようとしても、適切に採用を判断できる人事担当者がいない」や「障がい者採用において、障がいの程度・等級などが把握しにくく判断が難しい」、「外国人採用において言葉の問題、文化の違いに苦労した」などの声があがった。
マンパワーグループでは、「採用条件や採用判断、受け入れ体制づくりの段階から難しさを感じているケースや、社内の理解を深めることに苦労している声が多数あった。また、採用後にどう定着させるのかという点で苦労しているケースも多いようだ」とコメントしている。
調査は、2022年1月、企業で人事担当者を務める20代~50代の会社員または団体職員を対象に実施し、400人の有効回答を得た。
配信元:日本人材ニュース
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