■OJTは「準備」、「継続」、「計算」
通常の仕事と同様に、部下・後輩育成においてもできるだけ短期間に成果を出すことが求められます。そのためには育成計画を立て、「準備」を整えた上でOJTを進めることが欠かせません。
また、当初は十分に時間を割いて指導できたとしても、業務が忙しくなるにつれてだんだん指導に時間が取れなくなる、といったケースがよく見られます。OJTで成果を出すためには、「継続」の重要性を認識しておくことが大事です。
継続的なOJTを行うためには、OJTトレーナーだけで行うのではなく、職場全体で取り組む「計算」された働きかけが求められます。
■Off‐JTも大切
「業務を見せ」、「やらせてみて」、「理解を確認する」のがOJTの基本的な流れですが、人材育成は、Off-JT(Off the Job Training、いわゆる集合研修など)と組み合わせて実施するのが効果的です。
近年の若年層は「机上で教えられた」という実感がないと、「聞いていない」と感じる傾向が強くあります。定期的にマニュアルやOff-JTで体系的な知識の整理をさせる一方、OJTにより、各人に合わせた指導を徹底します。そういった意味でも、バランスを計算した教育指導が求められます。
■OJTとOff‐JTの効果的な組み合わせ
OJTとOff‐JTは効果的に組み合わせるとより高い効果が期待できます。OJTで身につけた仕事のやり方を、Off‐JTによる研修や書籍を通じた理詰めの解釈によって裏づける、という方法もあれば、逆に、Off‐JTによって学んだ「知識・理論」を、実務の中で試しながら使えるものにしていくことで、自分なりの仕事の「うまいやり方」を身につける、という方法もあります。