【部下の力を引き出すためのコミュニケーション】
部下の力を引き出すためのコミュニケーション 【2】
■部下・後輩の話をきく
相手の話をしっかりと受け止め、反応することによって、相手を尊重していることを伝えることができます。
一方、話を積極的に聴かないということは、「あなたの意見や考えは正当に扱うに値しない」というメッセージを送っていることと同じです。相手に向き合い反応を示すことで、聴いていることを伝えましょう。
■あいづちをうつ
あいづちは相手(話し手)を「大切にしている」という姿勢を示すものです。話し手と聞き手の関係を肯定的に調整するものであり、会話をスムーズにするための潤滑油でもあるのです。あいづちという反応をすることで、相手には「承認された」という意識が芽生えます。
例:(共感)「そう、その通りだね」
(受容)「その気持ち、よく分かるよ」
(承認)「なるほど、そうだったんだ」
あいづちがないと、聞き手には話し手に対して興味がないと、話し手には認識されるでしょう。また、感情のこもっていない事務的なあいづちも、話し手を受け入れようという意識や訴えに反応しようとする意識がないと捉えられます。気をつけましょう。
■反復・言い換えをする
相手の言葉をそのまま反復する、もしくは同意の言葉に置き換えることは、事実を確認することにつながります。
例:「なるほど、○○なんだね」 「△△ですね」
また、聴いた内容を要約し伝えると、理解が正しいかの確認と記憶を深めることができます。また、相手の話を意味のあるものと捉え、話の要点を完全に理解しようとする聞き手の姿勢を伝えることができます。
例:「それはつまり○○ということだね」
■感情をフィードバックする
部下・後輩の心情を想像し、具体的な言葉にしてフィードバックします。そうすることで、相手のことを理解し、相手に対して共感を抱いていることを伝えることができます。
相手が落ち込んでいたり、怒っているときは(たとえそのように思っていなくても)いったん相手の気持ちを推測し、受け止めましょう。受け止める前に否定してしまうと、相手はあなたの言葉に耳を傾けなくなります。
例:「そうか、じゃあかなり不安だったんだね」
「それは困ったね」
「○○さんが、がっかりする気持ち、分かるよ」
相手が喜んでいるとき、満足しているときは、一緒に、成果や満足を分かち合いましょう。その際、「私」を主語にした率直な感情を伝えましょう。
例:「そうか、それを聞いて私も嬉しいよ」
「さすがで○○さんだね。そこに到達するまでには色々と苦労しただろうね」
あいづちのように短い言葉では、声のトーンや表情を工夫しても伝えられることには限界があります。具体的な言葉で表現することによって「事実だけではなく話し手自身のことも気にかけている」、「話し手のことを理解している」ということを、より確実に伝えることができます。
■頭ごなしに相手を否定しない
部下・後輩の話を聞いている最中に、つい反論したり否定したくなることもあるでしょう。しかし、まずは相手の言い分をひと通り聴いてあげましょう。いったん話を受け止めた上で、反論すべきところ、否定すべきところを伝えるようにします。
☆次回もお楽しみに
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