■課長の役割:「部署の経営者になる」
課長になっても、上には部長がいますし、さらには専務・常務・社長など、上には上がいるため、会社全体のことは上の方々に任せたとお考えの課長さんも多いのではないでしょうか。景気が右肩上がりの時はそれでも良かったかもしれません。しかし、経済状況が芳しくない今、現場にも経営者にも接点がある、"課長"の役割がこれまで以上に会社から期待されています。その意味で、21世紀の課長に必要とされている能力は、「部署の『経営者』になる」ことです。
■経営者としてのマネジメント
課長になられる方は、プレイヤーとしての実績を上げたからこそ、その地位につくことができたわけですが、課長になった後は、今までと同じプレイヤーとして活躍しても評価はされません。
トッププレイヤーとしての自分からみると、部下は頼りなく思えるかもしれませんが、課長になると、会社から、部署のリソースを最大限活用して、「会社の将来のためにどのようなことをできるのか」「継続的な会社の利益につながるための"芽"をしっかりとみつけ、それをどのように実現するか」という経営者的視点でのマネジメントが新たに求められるようになります。
また、課長になると、権限とともに、やるべき義務や責任が増大しますが、褒められたい・認められたいという自分への評価は少し脇において、自分が会社のために何ができるのかという視点で行動する必要があります。
■会社の利益のための役割を果たす
例えば、人事評価の査定などでは、部下全員に対して、良い評価をあげたいと思いますが、それをやってしまえば、会社は立ち行かなくなります。部下から嫌われても、会社のためにすべてを飲み込んで会社の利益となる決断することが重要です。誰かに助けてもらっている。誰かが決定を下してくれることが今までだった思いますが、課長になってしまったら、もうそうしたことはありません。また、課長は現場にも接点のある存在として、経営者的な視点と同様に顧客の視点も織り交ぜて行動することが求められます。
会社の利益をもたらし、なおかつ顧客満足を得るためにはどのような施策があるか、その両方の2つのベクトルを意識しながら、部署の目的を定め、それを実現するための具体的な施策を講じて行くということが課長には求められます。