受講者に発表を促すだけでは双方向の研修にはなりません。
発表を求めたら、それに対して必ずフィードバックを行います。
フィードバックのない研修は効果(評価)も低下します。
■良い点は「ほめる」
良い点はどんなに小さなことでも、積極的に見つけてほめます。
逆に言うと、講師には、受講者の「ほめられる点」を見つけられることが求められるのです。
人は良いところより悪いところ(欠点)に目が行ってしまいますが、「ほめる」というフィードバックを忘れずに実行することで、受講者の意欲向上に大きな効果が期待できます。
■良くない点は「指摘する」
研修では明らかに「間違い」「勘違い」の回答が受講者から返ってくることもあります。
時間がない時などは、「ありがとうございます」とだけ言って次の人に代わることもありますが、フィードバックするときに指摘することも必要です。
その際に、うまくフォローできるかどうかは、講師次第です。
もしも、受講者が緊張している様子だったら、
「最初は誰でも緊張しますよね。」
「こういうところで話すのは誰でも緊張しますよね。」
などと声をかけることで、緊張をほぐしてあげましょう。
短い演習などで時間の余裕があり、かつ、もう一回やればできそうな受講者の場合は、「もう一回やってみますか?」と、
再チャレンジの機会を与えることもよいかもしれません。
また「準備の時間が短かったかも知れませんね。」「質問(設問)がわかりにくかったかもしれませんね。」など、
こちらの落ち度にすることもやさしさです。
■理解していることを「ほめる」
課題点が何だと思うか、受講者自身に自分で気付いてもらうことも大切です。
「いかがでしたか?」と聞き、「うまくいかなかった」と言ったら「それはどういうところでしたか?」と訊きます。
良くなかったところを自分から挙げることができたら、
「確かにちょっとそういうところを直したら、もっと良かったかもしれませんね。でもよくおわかりですね、次回はできそうですね」
と理解していることをほめてあげます。
また、たとえ間違えても、ムード盛り上がる意見を言ってくれた場合には、
「講座進行上、良い例をありがとうございます」と明るく対応しましょう。
さらには、課題の前後に「ほめる」という手法があります。
「○○の観点から、大変良い意見ですね。△△という条件が今回のワークにはあてはまりませんが、大変素晴らしかったです。ありがとうございました。」
このように、「ほめる→課題を挙げる→ほめる」の流れでコメントすることを「サンドイッチ話法」といいます。
ただ、指摘を受ける場合よりも素直に受け入れることができるものです。
■的確にわかりやすく指摘するためには
「出来てない」ことを指摘するのではなく、「何をすればより良くなるか」を提示することが大切です。
例えば、「声が小さくて聞き取りにくい」ということを指摘する場合は、「もっと大きく口を開けてみましょう」と言い換えます。
優しい口調で、かつはっきり伝わる言葉で課題を短く言い、何度も繰り返さないことに心がけましょう。
いずれの場合も、前向きにお伝えしましょう。
☆次回もお楽しみに!
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方