■モニタリングで評価できる項目とは
評価項目は、顕在するものと潜在するものに分けて考えます。モニタリングでは、そもそも顕在しているもの(=行動として現れているもの)しかチェックできません。
電話としての総合的な印象など、評価項目をまたがって複合的な観点からも見る必要があるため、評価項目以外に全体総評を記入する欄も評価シートに入れておきます。
■評価項目の配分を検討する
応対の評価は、センターの目的、センターの現状、センターの構成メンバーを踏まえ、電話の構成要素の比率を決めていきます。
・基本スキルでは、挨拶や敬語など会話の基本スキルが身についているか?
~立ち上げて間もないセンターでは、この項目を増やして、当面のスキルアップを狙います。
・応用応対スキルでは、傾聴力や説明力、質問力があるか?
~現状が一定のレベルにあり、より高いレベルを目指すときには、この項目を多く配分します。
・業務知識項目では、間違いなく正確なことを伝える知識があるか?
~間違ったことを言わないのは、基本事項の為、必須項目です。
・セールス項目では、お客さまの意思決定や取引促進ができているか?
~営業をメインの目的とするセンターでは当然ですが、その他のセンターでもお客さまの意思決定を促す「働きかけ」ができているかを見るのに重要な項目です。
・CS項目では、お客さま満足が得られる対応か?(共感や感謝だけでなく業務知識、応対など複合的要素で判断する)
~すべてのセンター・状況を問わず、重要な項目です。
・効率化項目では、架電時間が適正時間内であるなど、効率的に対応できているか?
・コンプライアンス項目
~伝えるべき内容を伝えないなど、リスクの度合いによっては必須の項目です。
これらの項目の配分(プロポーション)をコールセンターの方針に応じて検討します。
■評価項目のバランス(プロポーション)
・評価項目数
項目数は、評価する際の負担の大きさと、センターの目的を踏まえて決定します。選んだ評価項目全体で、センターの目指すべき姿をあらわせていることが大切です。
・目標に応じた評価配分
組織が目指す方向を踏まえ、評価項目を構成する比重を検討します。センターの稼動年数により、目標として設定すべき内容は異なるため、目的と現状を踏まえて項目を選択します。
例えば、センター立ち上げ時は基本応対スキル項目が多いのに対して、3年目は応用応対スキル項目が増えます。一方、初期に多い業務知識、コンプライアンスの評価基準に変わり、3年目には顧客満足という項目が目立つようになるという具合です。
評価項目を決める際には、自分のセンターの現状を踏まえ、議論して決めます。その際、実際の録音を聞いて、評価方針を決めると良いでしょう。
☆次回もお楽しみに!