【クレーム対応のイロハからお詫びメールまで押さえておきたいポイント34】
クレーム対応のイロハからお詫びメールまで押さえておきたいポイント34 【10】
クレームは決してなくなりません。これはあらゆる業界を通じて共通しています。日常的に発生するクレームの多くは、一定の手順を覚え、お客さまの心情を理解し、冷静に対応すれば、必要以上にあわてる必要のないものです。それどころかしっかりしたクレームの「作法」を身につければ、クレームを自分の味方にすることもできます。
◇9/17出版!「クレーム対応の基本がしっかり身につく本」<改定版>
今回の改訂では、「お客さまとの円滑なコミュニケーションの方法」や、みなさまからのご質問の多い「激しく正当性を主張されるお客さまへのクレーム対応」「クレームeメール対応」を新たに追加しました。
前回の読者の方にも、初めて本書を手にされる方にも、新しい気づきを得ていただけることと思います。この出版を記念いたしまして、その本の一部をメルマガにてご紹介いたします。
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●事例● 修理ミス原因でクレームに
5年前に当店で購入され、大変お気に召されていたバッグの修理の依頼にお客さまがいらっしゃいました。1週間後、バッグの仕上がり具合を確認していただいたところ、お客さまは「こんな仕上がりなら、このバッグは使えない」と大変、失望されてしまいました。原因は当方の修理ミスで、修理の仕上がりがご購入時と違っていたことがわかりました。再修理に出すにも、さらに1週間ほどかかってしまいます(高級ブランド)
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■自分の言葉や態度に注意して謝罪する
こちら側のミスでクレームが発生するという、残念ながらよくあるパターンです。このようなケースは、対応の仕方次第で新たなクレームを生んでしまう可能性をはらんでいます。こちらにミスがあるのですから、当然、謝罪することから始めます。
「当店を信頼して大事な品をお預けいただいたにもかかわらず、私どもの不手際でご期待に沿えず、誠に申し訳ございません」
というような言葉が、お客さまへの第一声になります。しかし、「とりあえず謝っている」と思われるような態度は禁物です。お客さまがこちらのミスによってどんなにお困りか、失望されているかなど、お客さまの心情に共感していることをしっかりと言葉や態度で示しながら、謝罪することが必要です。声や表情に気持ちを込めて応対します。
ミスが起きた原因を丁寧に説明する「お詫び」のあとに、「なぜこのようなことが起こったか」という原因を究明し、お客さまに説明します。
「お調べいたしましたところ、○○(原因)のためにこのような手違いが生じてしまったことがわかりました」
重要なのは、クレームが発生した経緯を説明するのは、謝罪のあとだということです。言い訳を先行させることは避けましょう。また、正直に、再修理に時間がかかることも説明します。
■原因や理由を聞かれたときの対応は
もしもお客さまに原因や理由を聞かれたら、1つだけを簡潔に申し上げます。2つも3つも原因や理由を挙げないように注意しましょう。長々と話を聞かされてもお客さまの怒りが増してしまうだけです。
■二度と同じミスをしないことを伝える
クレーム対応後は、また同じミスが起こらないように、上司・職場の同僚に本件を伝え情報を共有するとともに、対応策を検討します。また、お客さまにも、今後、再び同じ事態が発生しないよう努力する旨をはっきりと伝えてください。
その場合、「○○会議」で対策を取るというように、より具体的に伝えれば、お客さまも納得してくださりやすくなります。
「今後、同様のことが起こらないよう、今度の『○○会議』で対策を取らせていただきます。誠に申し訳ございませんでした」
☆次回もお楽しみに。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方