■握手・電話機のマナー~右利き文化の象徴か
そもそも、欧米は、right が右とともに正義の意味を持つよう
右上位の世界です。例えば、キリスト教の献花の花は、花が
右に来るように持ちます。この根拠は、右は「正しい」の意味が
あるから、花を正しい位置=右になるように持つということです。
ご存知でしたか?
これに対して、日本は、左右と書くくらいですから、左上位の世界だ
といわれています。左大臣のほうが右大臣より格上だというのも、
左上位の証拠だと言います。いや、左遷、右腕という右優位の言葉も
あるのではないかという人もいらっしゃいますので、政治の左翼・右翼
と同じで、左右の争いはイデオロギー的なところがあります。
あの中国でも、孔子などの儒教は右が尊ばれ、
老壮は左といいますから、好みの問題かもしれません。
それはともかく、間違いなく右利きのほうが左利きより多いというのは、
内外問わず事実です。そのため、基本的に、社会はテーブルマナーなど
右利きの文化が前提になっています。ただし、最近は、左利きにも
配慮するマナーが一般的です。このあたりは、左利きのマナーとして
よく説明されていますので省略します。もっとも、右利き文化の勢力は
まだまだ、いろいろなところで根強く見られます。例えば、握手は右利きが
一般的です。左利きの人も右手を差し伸べます。
インドなど左手を不浄とする国では、左手で握手をすると相手を
嫌っているという意味もあるということから、右手の握手が無難です。
さらに、電話も右利き用を前提に受話器は電話本体の左側に
ついています。左手で受話器を持ち右手でプッシュボタンを押し、
右手でメモを取るのが便利です。この点、左利きの方に不便な
道具がまだまだ多いようです。左利きの方に聞くと、ハサミ、
がま口、電卓・パソコンのテンキーの配列、マウス・カーソルの
印の向き、カメラ、缶切り、包丁・バターナイフ、洋服やワイシャツの
ボタン、自動販売機のコインの投入口、ウォシュレットトイレの
操作ボタンの位置、三角定規、カッターナイフ、クリアケースなど、
左利きを貫こうとすると大変だそうです。
■コーヒーの出し方~「カップは左向き、スプーンは右向き」?
よく、話題になる話として、コーヒーのカップとスプーンの
置き方があります。皆さんの会社で来客があった場合、
行きつけの喫茶店などはどのようにしているか観察して
みるのも面白いでしょう。
「カップは左向き、スプーンは右向き」というのが従来は主流の
ようでした。茶道の作法にならってカップを180度回転させた
ことの影響ではないかと言われています。
これに対して、右利きが多いはずだから、これは逆で、
「カップは右向き、スプーンは左向き」というのが正しい
のではないか、という人もいらっしゃいます。いや、最初に、
砂糖などを右向きのスプーンで入れるのは合理的だという
主張もあります。そうではない! 相手の利き手を前提に
考えるべきだという顧客至上主義の方もいらっしゃいます。
ちなみに、老舗の大ホテルOでは、「カップは左向き、スプーンは
すくう部分を頭にして縦向き」というルールで徹底しているそうです。
理由は、これがお客さまにもっとも使いやすいからとのことです。
以上、コーヒーのカップとスプーンの置き方のマナーは、
千差万別といったところでしょうか。
☆次回へ続きます!
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方