■「緊張」と「失敗」
初対面の人と話すことは大変、緊張します。面接官でももちろん、学生と初めてするときは皆さんと同じように緊張しています。
わが社に好感を持ってもらいたいし、好きになってもらいたい、その気持ちは採用するしないに関わらず、です。また、その面接での合否が年若い学生の人生を左右する、と知っているから真剣、そのものです。
では、なぜそんなふうに見えないのか?
それは「経験」が補っているからです。緊張したからといって「失敗」はできないので、過去の経験を活かして最大限に準備をしたり、工夫をしています。
では、応募者の緊張に対してどのように考えているでしょうか?
まず一つはその応募学生の「普通」の姿を知りたいので、過度の緊張を強いることは避けたい、ということです。
応募学生の「良い点」はどこか、を探すのも仕事のうちです。そのためには、ある程度、緊張の解けた「素」の状態を知りたいものです。とってつけたような改まった様子では、仮の姿ですから探しようがありません。ですから、人事の人が非常に感じよく、応募学生が良い心の状態で面接に入ることができるようにこころを 砕いているのはそのためです。
逆に、緊張したときに垣間見られる姿がその人そのもの、という考え方もあります。「多分、答えられないだろう」という質問をするのはそのためです。「困ったときの対応力」が本当の底力、と言えるでしょう。
仕事をしていく中では、疑問や困ったことなどがなく、全て順調に進めていくということはありえません。特に、新卒で入社したら、当面はわからないことだらけです。
面接官の意地悪な質問に対する学生の回答はさほど、バリエーションがありません。光った回答があれば、「困ったときの対応力」が高く評価されます。
そもそも、初めて会って30分程度の面接で 合否を決めなければならない面接官もなかなか苦労があります。
圧迫面接、意地悪な質問というのは、苦肉の策で生まれた面接手法というわけです。
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方