■選考対策は「個人面接」に絞り込む
春までの採用活動と夏以降の採用活動では、企業側の選考の方法もかなり異なります。
具体的には、春まではエントリーシート、適性検査やグループディスカッションなどの「一度に複数の応募者を選考」していた企業が、一斉に個人面接中心の採用活動に変えることです。前回も説明したとおり、夏・秋採用では「早く採用活動を終わらせる」ために「少ない応募者の中からでも自社にあった学生であれば内定を出す」傾向にあるからです。そのため、応募者1名1名にじっくりと個人面接を行い、自社に合う学生を早く見抜きたいと考えています。
春の採用であれば内定を出すまで4~5回の選考を経ていた会社も、夏・秋の採用であれば1~2回の個人面接で内定を出すようになる会社も少なくありません。
つまり個人面接の対策をしっかり行って選考に臨めば、満足度の高い就職活動となる確率は間違いなく高くなります。
そこで今回は個人面接の対策において重要な3つのポイントをご紹介します。
■1.「見た目」は本当に重要
個人面接において評価に大きく影響するのは「見た目」です。身だしなみ、マナー、表情、言葉遣い、話し方、座り方、立ち方、部屋の出入り、そういった「見た目」から受ける印象で評価は大きく異なります。
重要なのは、「相手の視点」(つまり面接官の視点)から見て好感がもてることです。自分で鏡を見たり、友人同士で模擬面接をするなどして練習することも重要ですが、何よりも効果的なのは社会人の先輩、特に面接官と同じ世代であるご両親に見てもらい、感じたことをフィードバックしてもらうことです。
■2.「想定される質問」「質問の意図」「受け答え」を事前に考える
特に個人面接では多くの企業が学生の「コミュニケーション能力」を評価しています。面接官が見ているコミュニケーション能力とは「相手の話を理解できる(ちゃんと聞けている)」ということと「自分の考えを伝えることができる」の2点です。決して話が面白いとかユニークであるとか人懐っこいとか、そういったことを求めているわけではありません。
具体的に面接ではコミュニケーション能力を「質問に対する受け答え」の仕方で評価しています。「質問の意図をちゃんと理解して答えているかどうか?」を面接官は評価しているのです。
例えば、「なぜ当社を応募しようと思ったのですか?」という質問で、面接官が何を知りたいのでしょうか?
実はこの質問で面接官が知りたいのは、「自社のどこを魅力だと思ったのか?」でも「応募者がどのような基準で会社を選んでいるのか?」でもありません。
そもそも面接で会社が見抜きたいこと、それは応募者が自社に貢献できる人材(役にたつ人材)かどうかですから、上記の質問では「応募者がどのような強みを発揮して会社の役に立ちたいと考えているのか?」を知りたいというのが面接官の意図です。
この意図を無視して、「御社の社風にひかれました」「事業内容が自分のやりたいこととマッチしているからです」などと答えられても、面接官の質問に答えたことにはなりません。
しかしこういった受け答えというのは、一朝一夕でできるものではありません。これまでの自分の経験から、
・面接でどのような質問をされるか?
・その質問の意図は何か?
・意図を踏まえるとどのように答えるべきか?
を予め考え、面接に臨むことが重要です。
■3.絶対に質問を考えておく
個人面接では、ほぼ例外なく終了時に「質問や聞いておきたいことはないですか?」と質問を促されます。この質問の意図は、「どの程度具体的に自社で働くことをイメージしているのか?=志望度が高いかどうか」を知りたいということです。
つまり、「何もありません」と答えてしまっては、面接官は「この応募者は当社への志望度は低いのかもしれない」と推測することになります。もちろん、何でもかんでも質問すればいいというわけではなく、質問内容が説明会で伝えた内容や就職サイトやホームページに書いてあるようなことであれば、準備不足とみなされ、やはり、志望度が低いのかもしれないと受け止められてしまいます。
ですから、くまなく会社パンフレット・就職サイト・ホームページを読み込み、面接官に、自分の本気度をアピールできるような質問を最低3~4つは考えて面接に臨むことが重要です。
☆インソース採用担当者からは、今回でいったん終了となります。
次回以降のメールもどうぞお楽しみに!
「きみは営業に向いてない」
周りの人にさんざん言われていながら入社早々営業担当になってしまった中島が伝える、営業の頑張り方