【見積もりが失敗する要因】
(1)作業工数を見積もるための機能の洗い出しができていない
顧客から必要な要件をすべて聞き出せていない、顧客が望むシステム像とベンダー側が見積もったときに描いたシステム像が一致していないと、見積もり額は必ずぶれが発生してしまうでしょう。
要件定義の段階ではまず顧客の業務にいかに詳しくなれるかがポイントです。
たとえば顧客に「○○といった機能をつけたい」と言われたとき「なぜそんな機能をつけたいのだろう?」と思ったら、必ずそのビジネス背景まで聞き出すことです。そういうことで意識のずれがなくなったり、顧客の性格や考え方までわかってきたりするのです。
(2)会社としての見積もり標準方法がない
部署ごとに見積もり方が違う、見積もる人によって見積もり額が違うなど、見積もりは人によって考え方がさまざまです。
しかし、従来のように人によった見積もり手法を用いていってしまうと、その担当者が辞めたらまた別の人が見積もった場合全然違う額になったなど見積もりの方法がどんどんすりかわってしまっていくことになるでしょう。
ですので、会社の開発スタイルにあった見積もりの手法スタイルを築き上げることが重要です。
前回のメルマガでお話したファンクションポイント法などの、客観的な見積もり手法を一部取り入れるなどの見積もりスタイルの客観化が必要になるでしょう。
(3)リスク対策をしっかりとる
どんなに要件を完璧に洗い出せた!と思っていても、いざ開発をすすめていくと思わぬところで落とし穴があったりします。
単にミスならまだいいのですが、最初は完璧だと思っていた要件が実は開発してみて矛盾が発生することに気がついた、ということなどよくあります。
こういう思わぬ落とし穴対策のため、最初に見積もったコストやスケジュールにはある程度プラスした金額を上乗せしておくことが大事です。
また、値引きを要求してくると予測されるクライアントに対しては、あらかじめ上乗せをして見積もりをしておくとよいでしょう。
さて次回からは新シリーズ「PERTを書こう!」をお届けしていこうと思います。
PERTとはプロジェクトの工程を管理するための便利な手法です。全5回を予定しておりますのでお楽しみに!
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