一部署だけで完結する案件であれば、直属の上司とやりあっていれば十分ですが、管理職ともなると、複数の部署が関与する案件をまとめなければならないことも多々あります。この手の案件となると、若い担当者に任せきりにはできなくなるので、管理職自らが動かなければならなくなります。
根回しは組織の悪ということも耳にしますが、組織を動かすためには、組織内での事前の準備、ホウレンソウ=根回し、は必要不可欠ではないかと思います。
事前に何のコミュニケーションもなく、いきなり会議で検討、決議なんて、ほとんどありえないのではないでしょうか。効率的な会議運営のためにも、事前の準備は当然必要になります。
根回しにおいて留意すべき点は、以下の点が挙げられます。
1.関与する組織を漏れなく挙げられる(会社の組織をよく知る)
管理職ともなると、自部署だけでなく、社内の各組織がどんな業務をやっているのかは最低限知らないと、自分の仕事になりません。
2.他部署の担当者、キーパーソンとコミュニケーションができる
その上で、他部署の担当者、キーパーソンとコミュニケーションできること、つまり、「この人は何だ?」と思われない位の人間性を持ち合わせていないと、優秀な人であっても、周囲の協力が得られにくいのではないかと思われます。
3.他部署(その担当者など)の業務の背景を知る
自分の都合だけで他人は動かない訳ですから、相手の都合もよく理解してやらないといけません。よくある例として、強引な営業担当者が、製造の背景も知らずに納品日をお客さまと決めて、周りに散々迷惑をかけてしまうことが挙げられます。こんな人には、いくらその人が営業成績抜群でも、周囲は協力してやろうという気になりません。
4.根回しの順序を間違えない、社内の人間関係に注意する
複数の部署に根回しする場合は、その順序が大切になる場合があります。「なぜあいつより俺への連絡が後なのか。勝手にやってくれ。」なんて言う人も実際にあります。
直属の上司と相手方の上司の仲が悪い場合は、「あいつが賛成なら俺は反対だ。」みたいなことも起こってしまったり・・・そんな時には、外堀を固めてから反対派を説得ということもありえます。
5.上司の機嫌の良いときにホウレンソウする
上司の機嫌の良し悪しで、ホウレンソウの効果は大きく違います。上司の顔色を伺い過ぎるのもどうかなとは思いますが、急を要しない案件のホウレンソウは、上司の機嫌の良い時に行ったほうが得策です。
いかがでしたでしょうか?
「根回し」というとなんとなくネガティブなイメージですが日ごろの地道な根回しがいざというときに効いてきたりします。プロジェクトで何らかの原因でトラブルが起こったとしても、あまり日ごろコミュニケーションをとっていないお客様だと烈火のごとく怒られたりするものですが、普段から密に連絡をとりあい、極端な話クライアントの会社の一社員だというレベルの意識を持ち合わせていればたとえトラブルが起こっても最後まで信頼してくれるものです。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。